大人気先代ランドクルーザー200の賢い売り時と確実に得する売り方

大人気先代ランドクルーザー200の賢い売り時と確実に得する売り方

 トヨタSUVのフラグシップである、「ランドクルーザー」。「ランクル」といえば、「リセールがいいクルマ」と認識されている方は多いかと思うが、「それでも、やっぱり最新型じゃないとダメなんでしょ」ということはなく、たとえば、今年2023年は、2018年式が「売り時」の年式なのは、あまり知られていない。

 ランクル所有者や、これからランクルを購入しようという方に向け、ランクルを高く売るコツをご紹介しよう。

文:吉川賢一
写真:TOYOTA

パキスタンでの需要が高いことが、ランクルのリセールがいい、もっとも大きな理由

 歴代9代目となる先代のランドクルーザー(200系)がデビューしたのは2007年9月のこと。2021年8月に現行ランクル(300系)が登場するまで、約14年間も製造が続けられてきた。フレーム構造の車体は、高い剛性と耐久性、衝突安全性を誇り、快適性も高められているうえに、岩石路や泥路を走破するためクロールコントロールといった制御デバイスも装備されていることで、ドライバーのスキルに関係なく、高度な走りをイージーにできる一台として、世界中で人気が高まった。

 特に中東地域では、ランクルへの信頼度が異様に高い。現地の富裕層の若者の「足車」としてや、砂漠地帯の起伏を走り回る「デザートサファリ」で大活躍をしているのだ。もちろん、現地でも、トヨタディーラーで新車のランクルを購入することはできるそうだが、非常に高額になってしまうそう。そのため、高い関税を払ってでも総額が安くなり、かつすぐに手に入る(船便で1か月)中古車を日本から輸入したほうがいい、ということで、海外のバイヤーから人気があるのだという。日本でランクルの査定が高い(=中古車相場が下がりにくい)のは、このためだ。

 ちなみに、ランクルが最も輸出されているのはパキスタンだ。パキスタンは、日本と同じ左側通行(右ハンドルでOK)の国であり、左ハンドルに直さないと輸入できない国もあるなか、左ハンドルにコンバートせずとも、そのままの仕様で輸出ができるのだ。

2007年にデビューした9代目のランドクルーザー200系。高い耐久性、衝突安全性、そして快適性も高く、海外での信頼度が高い。写真は2015年8月発売の後期型
2007年にデビューした9代目のランドクルーザー200系。高い耐久性、衝突安全性、そして快適性も高く、海外での信頼度が高い。写真は2015年8月発売の後期型

パキスタンの年式規制が終わる数か月前に手放す

 ただし、高く売るためには、いろいろと「条件」を満たす必要がある。そのひとつが「年式」だ。各国にはそれぞれ「中古車輸入規制」というものがあり、たとえばパキスタンは、「製造年5年落ちまで」と決められている(例、2023年は2018年式まで)。2022年の事例では、パキスタンの年式規制を超えてしまった2016年式では、200系ランクルの中古車(業者向け中古車オークションの)相場は、200万円近く急落した。パキスタン年式規制が終わる数か月前に手放すのが、もっとも賢い売り方だ。

 ただ、このパキスタンの規制を過ぎてしまっても、アフリカ方面へと主要輸出先が変わり、さらに低年式はロシアなどに輸出されるため、相場は下がるが、ランクルの中古車の行き先が無くなることはない。

 実際の事例をご紹介すると、2023年にはいって、5年落ちとなる2018年式の走行距離2万キロの個体は、業者向けオークションで800万円を超えて落札された(新車時価格は税抜632万円)。ただ、8年落ちの2014年式の走行距離3万キロでも400万円台で取引されている(こちらも業者向けオークションでの取引額)。

300系ランクルの業者向け中古車オークション相場は2月中旬では1200万円程。半年前までは1500万円を超えていた。相場は目まぐるしく変動している
300系ランクルの業者向け中古車オークション相場は2月中旬では1200万円程。半年前までは1500万円を超えていた。相場は目まぐるしく変動している

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