■快適な3列シートSUVはどれだ!?
そこでSUVに装着される3列目シートの快適性をランキングしてみたい。マツダの販売店によると「CX-80の発売は2023年10月以降になる予定で、2024年にズレ込む可能性もある」というから、CX-8は今でも購入できる。
そして3列目シートが最も快適なSUVはCX-8だ。2列シート仕様を設定しない3列シート専用車とあって、SUVながらも3列目に力を入れて開発された。身長170cmの大人6名が乗車して、2列目に座る乗員の膝先空間を握りコブシひとつ分に調節すると、CX-8では3列目に座る乗員の膝先に握りコブシふたつ分の余裕ができる。多人数で乗車しても、窮屈に感じない。
2位は以前ならCR-Vだったが、生産を終えた今はランクルプラドだ。CX-8と同じ測り方で、3列目に座る乗員の膝先空間は握りコブシふたつ分になる。つまりCX-8と同等だが、ランドクルーザープラドは、床と座面の間隔が不足するから膝の持ち上がる窮屈な座り方になる。そのために2位に下がった。
3位はランクル300だ。ボディはランクルプラドよりも大きいが、2列目シートにスライド機能が付かない。そのために2列目を前側に寄せて3列目の足元を広げられず、3列目の膝先空間は、前述の測り方で握りコブシひとつ分だ。ランクルプラドの握りコブシふたつ分よりも狭い。
4位はアウトランダーだ。ほかの車種のように2列目シートの膝先空間を握りコブシひとつ分に調節すると、3列目には座れない。2列目の膝先が1列目の背面に触れるまで前側に寄せると、3列目に辛うじて座れる。
5位のエクストレイルは、足元空間はアウトランダーと同程度だが、座り心地はもう少し下がる。
■ミニバンと3列シートSUVを比較してみると?
以上のようにSUVの3列目シートは、ミニバンとは快適性が本質的に異なる。SUVでは最も快適なCX-8でも、3列目の居住性をミニバンに当てはめると、コンパクトなシエンタやフリードと同程度だ。ランクルプラドはそれ以下で、大人が多人数で乗車して移動できる距離は、片道1時間程度までになる。
ランクルやアウトランダーはさらに短く、多人数乗車は片道30分くらいが限界だ。エクストレイルはもっと窮屈だから、片道15分前後と考えたい。このようにSUVの3列目は、荷室に装着された補助席に位置付けられる。
SUVとミニバンの3列目を比べると、最も大きく異なるのは床と座面の間隔だ。ミニバンの床面は、1/2列目の部分を少し上げ底にしている。この構造により、ボディの後部に搭載される燃料タンクの位置まで床を高めて、表面を平らに仕上げた。そのために1列目から3列目まで、着座姿勢に大きな差は生じない。
しかし、SUVはミニバンのような平らな床面構造ではない。1/2列目シートの位置は床が低く、3列目の部分は、燃料タンクのために持ち上がる。そのために3列目は1/2列目に比べて、床と座面の間隔が狭い。膝が持ち上がり、腰が落ち込んだ座り方になる。
コメント
コメントの使い方