■社長交代で電動化を加速させるトヨタ
いち早くEVの大量生産に成功した日産は、2030年代早期より、主要市場である日本、中国、米国、欧州に投入する新型車をすべて電動車両にする計画です。
2010年に小型EV「リーフ」を市場に投入し、すでに世界累計販売台数で50万台(国内では15万台)を販売し、その後も2022年5月に日産アリア、2022年6月に日産サクラを投入し、2023年2月には次世代全個体電池を搭載したコンセプトカーの実車モデル「マックスアウト」を公開しました。
2021年からの5年間で約2兆円を投資し、電動化を加速し、2030年度までにEV5車種を含む23車種の新型電動車を投入し、グローバルの電動車のモデルミックスを50%以上へ拡大。全固体電池を2028年度に市場投入するそうです。
また2026年度までにEVとe-POWER搭載車を合わせて20車種導入し、各主要市場における電動車の販売比率を欧州で75%以上、日本で55%以上、中国で40%以上、米国で30年度までに40%以上(EVのみ)を目指していくという事です。
業界最大手のトヨタは、その発言には波紋も大きいことから、これまでEVへの全面的移行には慎重な対応を取ってきましたが、もはやそんな流ちょうなことを言っている場合ではないようです。豊田章男社長は2023年1月、「どうしても最後はクルマ屋の枠を出ないクルマづくりに向かっていたと思う。電動化、コネクティビリティに関して私はもう古い人間だ」として、「一歩引くことが今必要だ」と判断して社長交代を宣言しました。
社長に指名された、これまでレクサスとガズー・レーシング部門を担当してきいた佐藤恒治執行役員は、「モビリティ・カンパニーへのフルモデルチェンジに取り組む」と、トヨタ変革の意気込みを見せています。
■加速する小型トラックの電動化
トヨタは2021年12月14日、EV戦略を発表し、2030年のBEV(バッテリー式の電気自動車)年間販売台数を200万台から350万台(30車種)に上方修正し、レクサスが同年までに欧州、北米、中国でBEV100%をめざすことなどを発表しました。2022年5月にはSUVのbZ4Xを発売、同年12月にはEV15車種(bZ4Xを除く)を公開しました。走行距離は一充電で500km、世界各地の高出力充電にも対応し、DC急速充電では150kWに対応し、30分で80%まで充電できるそうです。
「EV専用プラットフォーム」はスバルとの共同開発で、スバルは2022年5月にソルテラを発売しています。
電動化に関する提携はスバルだけでなく、スズキ、ダイハツ、マツダなどとも進めています。
ちなみにスズキは2030年までに電気自動車の開発に2兆円を投じることを明らかにしています。主力市場のインドや日本に6車種を投入する計画だということです。
ディーゼルエンジンで日本や欧州の市場で活躍してきたマツダにとって海外でのガソリン、ディーゼルエンジン規制は大きな課題です。丸本明社長は「あらゆる電動化技術が必要だ。絞り込むのはリスクが高い」とっています。
そのような中で2021年1月に「マツダMX-30EV」を発売。さらに11月の中期計画のアップデートで30年のEV想定比率を25~40%と発表しました。
実は乗用車だけでなく、商用車のEV化も加速しているのです。国土交通省もそれを後押しために「事業用自動車における電動車の集中的導入支援」事業を22年からスタートしました。補助率は電気バスが車両価格の1/3、電気タクシー、電気トラック(バン)が1/4、燃料電池トラックが2/3、ハイブリットバス・ハイブリッドトラックが1/3、電気自動車用充電設備等が導入費用の1/2です。
こうした中で2017年に初の量産型電気小型トラック「eキャンター」の販売を開始した三菱ふそうは、2039年までに国内のすべての新型バス・トラックを電動化するようです。
トヨタ、いすゞ、日野自動車は2021年3月、小型トラックの分野でEV化やFCV化を進めるために業務提携(日野自動車は2022年8月に離脱)し、共同出資会社を設立しています。
いすゞはこのほか、2020年1月からホンダとFC大型トラックの共同開発を進めていますし、日野自動車は2021年4月には関西電力と提携して新会社を設立し、電動車導入の促進に力を入れています。商用車の電動化も進んできています。



コメント
コメントの使い方消費者に作らない売らない一点張り、売らない作らない。 ポンダが言い切ってるが、後々で作りますに転換するから笑う。 そもそもガソリン車を作らない売らない、そんなゴリ押しセールスは既に手の内がバレバレですわ。 そもそもポンダじゃステラには勝てない。 原発10基
2035年前に、CO2フリーの「e-fuel」が、ガソリンや軽油、A重油となみのコストになることはないでしょうね。
現時点で、ブガッティや7000CCクラスのアメ車を通勤に使えるくらいの人もいるから内燃機関が無くなることは無いかもしれないが貧乏な日本の99%には無関係。
100%のEV車社会にはならないと思いますねぇ。
後12年で全てのマンション、アパート等共同住宅に
充電インフラが整備されるとは思えないし、例えば何百世帯のマンションで充電器の取り合いにもなりかね無い。世の中、軽自動車に乗る人もいれば大きなセダンやワンボックスに乗る人等色々居るから回っているんだと思います。
ヨーロッパEVは、環境問題もあるかと思いますが、どちらかというと燃費競争に勝てなかったためのルール変更で、日本のEVシフトは、ヨーロッパで自動車を売るためというより、むしろ、ヨーロッパEVの市場拡大のための布石のような気がします。