ガソリン車は消えるのか? 2035年には本当に日本の新車販売は100%電動車になるのか??

■「ガソリン車がなくなることはない」

 電動化の流れの中でクルマを取り巻く環境は大きく変わろうとしています。コンビニの店舗にもEVの充電器が次々に設置されています。ちなみにセブンイレブンで80店舗、ファミリーマートで700店舗、ローソンで205店舗設置されているそうです。

 タクシー業界ではタクシーアプリ「GO」を運営するモビリティテクノロジーズが全国のタクシー事業者と連携して2031年までにEVタクシー2500台をリースで供給、充電器を2900台設置するといった大規模な実証実験を進める業界横断的なプロジェクトを発表しています。トヨタのbZ4Xや日産リーフ、日産アリアなどが採用されるそうです。

 運送業界ではヤマト運輸が2017年から3トンタイプのeキャンターをすでに25台導入し、2022年8月からは日野自動車の日野デュトロZEVを500台の導入を進めているところです。2030年までにEVは2万台を導入する予定だそうです。このほか2023年度から日本通運が4トン以上のeキャンターを10台導入する予定(福岡、川崎では導入済み)です。佐川急便は30年までに7200台をEVに切り替えるようですし、日本郵便も23年1月末の段階でEVの軽四輪を2800台、二輪を7100台導入しているということです。

 しかし大手の中古車販売業者は「電気自動車が普及したからといってガソリン車がなくなることはない」と断言します。

 電気自動車は高速充電でも1時間以上かかり、航続距離は、ガソリン車では1000kmを超えるクルマもあるのに対して、電気自動車の場合は長くても500~600km、100km前後のものも少なくないですから、やはり長距離を走るような運送用のクルマを開発するには時間がかかるようです。ガソリン車を支えるインフラも依然として存続しています。

現在(2023年2月)国内メーカーが日本市場に投入しているEV
現在(2023年2月)国内メーカーが日本市場に投入しているEV

 全国に約2万4000拠点あるガソリンスタンドも給油専業からコンビニや自動車関連サービス、生活インフラへと事業の多角化を進めていますが、依然としてロードサイドで給油事業を続けています。ガソリンスタンドの店舗数では約1万2000店舗と業界最大手のエネオスホールディングスの広報担当者は次のように語っています。

「既存のサービスに加えてセブンイレブンと提携してコンビニとの複合店などのライフサービスやモビリティーサービスの提供に力を入れ、実証実験などを進めています。電気自動車の急速充電器も2021年度には17基だったのを、2022年度には100基、2025年度には1000基に増やしていく予定です」

 政府は2035年以降に発売される新車すべてを電気自動車にするよう指導していますが、ガソリン車の販売を規制しているわけではありません。徐々に移行していくことを期待しているようですが、その間にガソリン車のCO2をゼロにするような技術が開発される可能性もあるわけですから、ガソリン車にも少なからず大きな可能性があると考えておいたほうがいいのではないでしょうか。

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