えええぇぇ…違反…じゃないの? 車庫証明ステッカーを貼っていないクルマがいる理由と実情

■車検証の電子化をキッカケなるか!? システム変更に期待

 車庫証明ステッカーを作るのにもコストはかかっていること、また電子車検証という新しいシステムを実施していることも合わせて考えると、車検証に保管場所をデータとして取り込むことで無駄を省くといった行政のシンプル化についても検討すべき時期なのかもしれない。

 もちろん、保安基準を満たしているかどうかを確認する車検を担当しているのは国土交通省で、保管場所を確保しているかどうかの確認については警察庁と、省庁が異なる。縦割り行政の日本において、そうした効率化が進むことは期待薄といえるかもしれないが…。

■貼り付け位置に注意!! フロントウィンドウへの貼り付けは知識必須

 ところで、車庫証明ステッカーはリヤウインドウや後席のサイドウインドウなどに貼ることが多い。

 この理由のひとつはドライバーの視界をじゃましない場所を選んでいるためで、法律により表示しなければならないとされている車庫証明ステッカーであってもフロントウインドウに貼るのはNGといえる。

 というのはフロントウインドウについては、視界を確保するためにステッカーやシールの貼り付けについてのルールが厳しく定められているからだ。

 貼り付け場所や透過率などが保安基準の条件を満たすのであれば自由にシールやステッカーを貼れるのだが、保安基準を理解していない一般ユーザーについていえば、フロントウインドウへのシール類の貼り付けはご法度と捉えておくのが妥当だ。

■絶対必要なのは車検シールだけ!! 点検ステッカーはなくてもOKだった

車検ステッカーの位置はフロントガラス中央が基本であった。だが先進安全装備のカメラやセンサーの設置が進み、写真のようにガラス横に貼るケースも(U4@Adobestock)
車検ステッカーの位置はフロントガラス中央が基本であった。だが先進安全装備のカメラやセンサーの設置が進み、写真のようにガラス横に貼るケースも(U4@Adobestock)

 その中で、フロントウインドウの主に左上あたりに堂々と貼られていることが多いのが「点検整備済み」であることを示す点検ステッカーだ。

 法定点検に出すと、かなりの確率で貼り替えられているために、点検ステッカーには表示義務があると思いがちだが、じつはこのステッカーについては表示が任意扱いとなっている。当然ながら非表示での罰則はない。

 逆に、車検を通ったことを示す、通称「車検シール(正式名称:検査標章)」については表示することが義務であり、非表示の場合には50万円以下の罰金という厳しい罰が待っている。

 この「車検シール」について、従来はフロントウインドウの上部中央(ルームミラーの背面あたり)に貼られるものだったが、2023年より「運転者席側上部で、車両中心から可能な限り遠い位置」という風に運用が変わっている。右ハンドルであればフロントウインドウの上部右端が車検シールの定位置となっているのであった。

 シンプルにまとめると、公道を走るクルマが絶対に表示しているであろうステッカーは「車検シール」だけといえる。

 余談となるが、車検シールを貼っていないクルマは、未車検状態であり、すなわち自賠責保険にも未加入といえるので、君子危うきに近寄らずとばかりに距離を取った方がいい。

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