約1/4が高齢者ドライバー!? 運転免許取得数と返納者が多い都道府県は!? 

約1/4が高齢者ドライバー!? 運転免許取得数と返納者が多い都道府県は!? 

 運転免許の取得数が高い都道府県はどこなのでしょうか。今回は、免許取得数が高い都道府県がどこなのか、年代別の免許保有数はどのくらいなのか、申請による免許の取り消しや講習の受講数など、運転免許の保有についてまとめて紹介します。

文/齊藤優太
アイキャッチ写真/polkadot – stock.adobe.com
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■運転免許取得数が高いのは「東京都」

都市部では日常生活で自動車を必要としない人が多いが、免許取得数では人口の多い大都市が高くなっている(Kumi – stock.adobe.com)
都市部では日常生活で自動車を必要としない人が多いが、免許取得数では人口の多い大都市が高くなっている(Kumi – stock.adobe.com)

 警察庁交通局運転免許課が公表した令和3年版「運転免許統計」の令和3年中都道府県別運転免許交付件数(管区別)によると、運転免許証の新規交付数は、警視庁(東京)が12万5013件、大阪府が9万1653件、神奈川県が8万5630件、愛知県が8万684件、埼玉県が7万3762件でした。

 運転免許証の新規交付件数は、人が多く集まる大都市といわれる都道府県が多くなっているといえます。また、千葉県(6万2822件)、兵庫県(5万7703件)、福岡県(5万3898件)も新規交付件数が5万件を超えていることから、都市部での新規交付数が多いといえるでしょう。

■運転免許の年齢別保有数が多いのはどの年代?

65歳以上の運転免許保有者数は1927万8887人で、保有者全体の約4分の1を占める(ohayou! – stock.adobe.com)
65歳以上の運転免許保有者数は1927万8887人で、保有者全体の約4分の1を占める(ohayou! – stock.adobe.com)

 運転免許の年齢層別保有数は次のとおりです。

16歳~19歳:84万6620人
20歳~24歳:467万1998人
25歳~29歳:535万2559人
30歳~34歳:581万164人
35歳~39歳:678万8975人
40歳~44歳:762万1236人
45歳~49歳:907万3617人
50歳~54歳:874万4646人
55歳~59歳:715万7115人
60歳~64歳:654万9742人
65歳~69歳:642万9832人
70歳~74歳:675万581人
75歳~79歳:347万4119人
80歳~84歳:190万6616人
85歳以上:71万7739人

 上記の一覧からもわかるように、運転免許の保有数は40代後半が最も多く、次いで50代前半、40代前半、50代後半、30代後半、60代前半と続きます。このうち、65歳以上の保有者数は1927万8887人です。これは、20歳〜34歳までの保有数の合計1583万4721人よりも多い数値となっています。よって、高齢運転者が多いといえるでしょう。

■免許と人口・講習受講数などの関係はあるのか?

 運転免許証の取得数や保有者数を人口・申請による取り消し件数・講習受講数といった角度から見てみると、人口や交通網の整備など、さまざまなことが要因となっていることがわかってきます。

●運転免許の新規取得人数は人口の動向とおおむね比例する

 運転免許の新規取得数は、先述のとおり警視庁(東京)、大阪府、神奈川県、愛知県、埼玉県など、大都市といわれる都道府県が多いです。

 総務省統計局が発表している「人口の動向」を見てみると、2021年10月1日時点における都道府県別人口は、東京都が1401万人、神奈川県が923万6000人、大阪府が880万6000人、愛知県が751万7000人、埼玉県が734万人です。

 つまり、運転免許の新規取得者数と人口の動向は、おおむね比例しているといえるでしょう。必ずしも人口の動向と運転免許の新規取得人数が比例するわけではありませんが、人口が多ければ運転免許を取得する人数も多いといえます。

■申請による免許の取り消しは人口と公共交通機関の整備に関係?!

自動車が移動の足として生活に欠かせない地域では免許取り消し件数が低くなっている(kenstock – stock.adobe.com)
自動車が移動の足として生活に欠かせない地域では免許取り消し件数が低くなっている(kenstock – stock.adobe.com)

 申請によって運転免許を取り消した件数は、令和3年中に51万7040件でした。このうち、65歳以上が49万3461件と95.4%を占めています。このことからも、申請による免許の取り消しは、高齢者が多いことがわかります。

 では、申請による免許の取消件数を都道府県別に見てみましょう。

【令和3年中の都道府県別申請取消件数(管区別)】

警視庁(東京都):5万8748件(うち65歳以上:5万5453件)
神奈川県:4万1593件(うち65歳以上:3万9218件)
大阪府:3万5804件(うち65歳以上:3万3027件)
埼玉県:3万4772件(うち65歳以上:3万3199件)
愛知県:3万99件(うち65歳以上:2万8754件)
千葉県:2万5555件(うち65歳以上:2万4210件)

 このようなことからも、申請による免許の取り消しは公共交通機関が整備されている都市部で多いことがわかります。いっぽう、都市部より公共交通機関が整備されていない都道府県では、申請による免許取り消し件数が1万件以下になっているケースが多く見られます。

■高齢運転者の更新は初回更新者よりも多い!! 今後の課題は何か?

70歳以上の高齢者が運転免許を更新するときには高齢者講習を受講しなければならない。75歳以上の場合は、さらに認知機能検査を受ける必要がある(Monet– stock.adobe.com)
70歳以上の高齢者が運転免許を更新するときには高齢者講習を受講しなければならない。75歳以上の場合は、さらに認知機能検査を受ける必要がある(Monet– stock.adobe.com)

 高齢者運転者が受講する「高齢者講習」の受講数は、令和3年中に337万6680件でした。このうち、75歳未満の講習受講者数が138万2962件、75歳以上の講習受講者数が199万3718件となっています。

 いっぽう、免許を更新するための「更新時講習」の受講数は、令和3年中に1477万8916件でした。更新時講習の内訳は次のとおりです。

初回更新者講習:105万1674件
違反運転者講習:204万6024件
一般運転者講習:258万683件
優良運転者講習:910万535件

 講習受講者数の総数だけを見ると、更新者講習の方が高齢者講習よりも圧倒的に数が多いものの、初回更新者講習の件数と高齢者講習受講者数を比べると、高齢者講習の件数が多くなります。このようなことからも、高齢運転者が免許を更新して車を運転し続けているという現実が見えてきます。

 運転免許の取得者数が多い都道府県を見てみると、人口の動向とおおむね比例していることがわかります。いっぽう、申請による免許取り消し件数は、公共交通機関の整備がされている都道府県に多いことがわかりました。

 また、免許更新に関する講習受講者数は、高齢者講習受講者数が初回更新者数より多くなっています。これらの結果からも、社会問題でもある少子高齢化が運転免許新規取得者数や講習受講者数にも現れているといえるでしょう。

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