交通事故の件数は年々減少傾向にあるものの、依然として高齢者が第一当事者となる交通事故の割合が高い状態が続いています。東池袋の悲しい事件も強い印象を残しています。
これを受けて高齢者が運転免許を更新するときには、高齢者講習を受講したり、認知機能検査を受けて合格したりしなければなりません。さらに、一定の違反歴がある場合は「運転技能検査」を受ける必要があります。
今回は、教習所で行われている認知機能検査や高齢者講習がどのようなものなのか調査しました。
文/齊藤優太、写真/齊藤優太、PhotoAC、Adobe Stock(トップ画像=Monet@Adobe Stock)
■高齢運転者が免許更新の時期に受ける講習や検査
高齢者講習は、70歳以上の高齢者が免許を更新するときに受けなければならない講習です。また、75歳以上の高齢者が免許を更新する際には、認知機能検査と高齢者講習を受けなければなりません。
さらに、令和4年5月13日以降は、一定の違反歴がある75歳以上の高齢運転者は「運転技能検査」に合格しなければ免許の更新ができないようになりました。
つまり、高齢者が免許を更新する時期に受けなければならない講習や検査は、年齢や違反歴などにより異なるということです。
では、具体的にどのような講習や検査が行われて免許の更新となるのでしょうか。
まず、70歳から74歳までの高齢者は、「高齢者講習」を受講することで免許の更新ができます。講習の内容は、交通ルールや安全運転に関する知識の再確認、動体視力や夜間視力の測定、運転の個別指導などです。
次に、75歳以上の高齢者は、一定の違反歴の有無によって、運転技能検査を受けるか、認知機能検査に進むかという違いがあります。
一定の違反歴とは、信号無視、通行区分違反、通行帯違反等、速度超過、横断等禁止違反、踏切不停止等・遮断踏切立入り、交差点右左折方法違反等、交差点安全進行義務違反等、横断歩行者等妨害等、安全運転義務違反、携帯電話使用等です。
簡単にまとめると、交通事故に繋がる危険性が高い違反をした場合に、運転技能検査を受けなければならないということになります。
この運転技能検査は、繰り返し受験することが可能で、合格すれば認知機能検査に進み、不合格の場合は免許の更新ができません。運転技能検査の内容は、指示速度による走行、一時停止、右折・左折、信号通過、段差乗り上げなどです。
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