ファミリーに圧倒的な支持を受けるミニバンのなかで、ロングセラーモデルとしての存在感が強く日産の看板車種でもあるセレナ。
セレナは大体6年ほどの周期でモデルチェンジを繰り返しており、2016年デビューの先代から約6年となる2022年11月のタイミングで新型がお披露目された。
ノア/ヴォクシー、ステップワゴンという競合相手が一足先に新型へと切り替わり、最後発となった新型セレナ。その進化の度合いは先代型と比較してどれほどなのか?
※本稿は2023年1月のものです
文/ベストカー編集部、松田秀士、渡辺陽一郎、写真/ベストカー編集部、日産
初出:『ベストカー』2023年2月26日号
※各採点簿は先代を100とした場合の進化度数
■正常進化を遂げたミニバン王者セレナの評価は!?
発電専用エンジンの排気量を1.2Lから1.4Lにアップした新世代e-POWERと2L、直4の設定となり、マイルドハイブリッドは廃止となった。
押し出しの強いフロントマスクもカッコよく、インテリアは統合型インターフェースディスプレイを採用するなど新しさも備えている。
■松田秀士氏の評価は?
排気量と出力アップに加えドライブトレーンの専用設計によりエンジン稼働時の静粛性がアップ。発電能力に余裕が出たことで作動頻度も減少できている。こうなると走行時のロードノイズや風切り音が気になるものだが、フロントガラスの遮音材などを施し室内静粛性も上がっている。
サスペンションはステップワゴンやノア/ヴォクシーに比べて柔らかめで乗り心地もいい。ナビで目的地を設定すれば目的地までの地形を考慮して回生ブレーキなどを制御して燃費を向上させる先読み充放電制御。
全幅は1695~1715mmと扱いやすく丁度いい。
●松田秀士氏の採点簿
・エクステリアデザイン:110
・インテリアの質感:130
・先進的テクノロジー度:130
・パワートレーンの評価:120
・操縦性能の評価:125
・乗り心地の評価:130
・コストパフォーマンス:120
・総合進化度:125
■渡辺陽一郎氏の評価は?
ノア/ヴォクシーやステップワゴンと違って、標準ボディは従来型と同様に5ナンバー車だ。床も従来型と同じく高めで、乗降性はいま一歩だ。
その代わりフロントマスクの刷新と相まって、外観はミニバンらしく存在感が強い。ボディ前側はサイドウィンドウ下端を下げたから、視界が従来以上によくなった。e-POWERも刷新され、シートアレンジはノーマルエンジン車と同じく多彩になった。
最上級のe-POWERルキシオンにはプロパイロット2.0が搭載され、高速道路ではステアリングから手を離した状態で運転支援機能が作動する。
●渡辺陽一郎氏の採点簿
・エクステリアデザイン:120
・インテリアの質感:120
・先進的テクノロジー度:135
・パワートレーンの評価:120
・操縦性能の評価:110
・乗り心地の評価:110
・コストパフォーマンス:110
・総合進化度:125
●日産 セレナ主要諸元(e-POWER ハイウェイスターV)
・全長×全幅×全高:4795×1715×1870mm
・ホイールベース:2870mm
・車重:1810kg
・エンジン:直3、1.4L+モーター
・エンジン出力/トルク:98ps/12.5kgm
・モーター出力/トルク:163ps/32.1kgm
・価格:368万6100円(価格帯:276万8700~479万8200円)
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