「危ないって!!」スタッドレスタイヤを春になっても履き続けるリスクとデメリット

運動性能も劣り、燃費やロードノイズも悪化傾向に

 そしてもうひとつの弱点が、運動性能が劣るという点です。雪道では絶大なグリップを発揮するスタッドレスタイヤですが、その反面、ドライ路面では(前述もしたトレッド面のサイプの影響で)トレッドのゴムが撓み、横方向のグリップが落ちて旋回性が下がったり、加速時にも一瞬のもたつきが発生しがちです。とくに高速走行時やワインディング走行などでは、サマータイヤと同じ感覚では走行ができないことは、体感されている方も多いでしょう。

 トレッドゴムの摩耗を早めてしまうことも弱点のひとつです。スタッドレスタイヤはサマータイヤよりも使用限界が早く、溝の深さが50%摩耗したら使用限界とされています。スタッドレスタイヤは、冬場に機能を発揮して欲しいものです。

 また、燃費が悪くなることも弱点です。サマータイヤに比べて、走行抵抗が大きいため燃費は悪くなる傾向にあります。筆者の経験だと、5~10 %ほど落ちるように感じます。さらには、ロードノイズも大きくなる傾向があります。スタッドレスタイヤのトレッドは、パターンノイズが大きいため、特に高速走行時に静粛性がよろしくないのです。

スタッドレスタイヤを履き続けることは、運動性能が劣り、燃費やロードノイズも悪化傾向になるし、トレッドゴムを無駄に消耗することになる(PHOTO:Adobe Stock_FRANK)
スタッドレスタイヤを履き続けることは、運動性能が劣り、燃費やロードノイズも悪化傾向になるし、トレッドゴムを無駄に消耗することになる(PHOTO:Adobe Stock_FRANK)

それほど雪が多くない地域で面倒な方は、オールシーズンタイヤがおすすめ

 降雪地域の方でなければ、タイヤを交換するのが手間(タイヤの置き場もないし)という方は、昨今登場しているオールシーズンタイヤを選ぶのもひとつの手です。サマータイヤと比べると値段は若干高めですが、冬タイヤ用のホイールを用意する必要がなく、置き場所も考える必要がないため、ずっとリーズナブルです。1シーズンに数度、数センチ程度の降雪があるような地域の方には、オールシーズンタイヤが向いています。昨今のオールシーズンタイヤは、ゴム配合技術の進歩やトレッド形状の改良などによって、雪上でのグリップ性能が飛躍的に高まっています。

 ただし、本格的な降雪地域では、冬専用タイヤであるスタッドレスタイヤの方がやはり有利です。1シーズンに降雪地域に頻繁に行くような方も、スタッドレスタイヤを選ぶのがやはり正解です。

 サマータイヤへ履き替えた直後に感じる、滑らかな走り心地とロードノイズの小ささは、なんともいえない安堵感と満足感があります(冬タイヤはインチダウンしている方も多いと思いますが、カッコもよくないですよね)。ぜひ、シーズン毎に適切なタイヤを選んで、ドライブを楽しんでください。

ぜひ、シーズン毎に適切なタイヤに履き替えて、楽しいドライブを!! (PHOTO:Adobe Stock_ドンピエロ)
ぜひ、シーズン毎に適切なタイヤに履き替えて、楽しいドライブを!! (PHOTO:Adobe Stock_ドンピエロ)
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