運動性能も劣り、燃費やロードノイズも悪化傾向に
そしてもうひとつの弱点が、運動性能が劣るという点です。雪道では絶大なグリップを発揮するスタッドレスタイヤですが、その反面、ドライ路面では(前述もしたトレッド面のサイプの影響で)トレッドのゴムが撓み、横方向のグリップが落ちて旋回性が下がったり、加速時にも一瞬のもたつきが発生しがちです。とくに高速走行時やワインディング走行などでは、サマータイヤと同じ感覚では走行ができないことは、体感されている方も多いでしょう。
トレッドゴムの摩耗を早めてしまうことも弱点のひとつです。スタッドレスタイヤはサマータイヤよりも使用限界が早く、溝の深さが50%摩耗したら使用限界とされています。スタッドレスタイヤは、冬場に機能を発揮して欲しいものです。
また、燃費が悪くなることも弱点です。サマータイヤに比べて、走行抵抗が大きいため燃費は悪くなる傾向にあります。筆者の経験だと、5~10 %ほど落ちるように感じます。さらには、ロードノイズも大きくなる傾向があります。スタッドレスタイヤのトレッドは、パターンノイズが大きいため、特に高速走行時に静粛性がよろしくないのです。
それほど雪が多くない地域で面倒な方は、オールシーズンタイヤがおすすめ
降雪地域の方でなければ、タイヤを交換するのが手間(タイヤの置き場もないし)という方は、昨今登場しているオールシーズンタイヤを選ぶのもひとつの手です。サマータイヤと比べると値段は若干高めですが、冬タイヤ用のホイールを用意する必要がなく、置き場所も考える必要がないため、ずっとリーズナブルです。1シーズンに数度、数センチ程度の降雪があるような地域の方には、オールシーズンタイヤが向いています。昨今のオールシーズンタイヤは、ゴム配合技術の進歩やトレッド形状の改良などによって、雪上でのグリップ性能が飛躍的に高まっています。
ただし、本格的な降雪地域では、冬専用タイヤであるスタッドレスタイヤの方がやはり有利です。1シーズンに降雪地域に頻繁に行くような方も、スタッドレスタイヤを選ぶのがやはり正解です。
サマータイヤへ履き替えた直後に感じる、滑らかな走り心地とロードノイズの小ささは、なんともいえない安堵感と満足感があります(冬タイヤはインチダウンしている方も多いと思いますが、カッコもよくないですよね)。ぜひ、シーズン毎に適切なタイヤを選んで、ドライブを楽しんでください。
【画像ギャラリー】雪のシーズンが終わったら履き替えて!! スタッドレスタイヤを春になっても履き続けるデメリット(4枚)画像ギャラリー
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