車体の横に立っている人間と大きさを比べると、そのサイズ感が一目瞭然!超巨大重機はいったいどのようにして作業現場まで運ばれているのだろう?
絶対的に大きな乗り物に圧倒されたいという欲求は、誰にでも少しくらいあるんじゃないかと思う。
今回はコマツが開発設計生産している、世界最大級の超大型ダンプトラック960Eを取り上げたい。この超巨大重機、考えてみたら、道路を走っている場面を一度も見たことがない。一体どのようにして現場まで運んでいるのだろう?
超大型ダンプトラック960Eとは?
960Eは、全世界の鉱山で働く電気駆動式の超大型ダンプトラックだ。アメリカのイリノイ州・ピオリア工場で生産され、中国、インド、ブラジルなど新興国ほかの各地の山奥で石炭、鉄鉱石などを掘り起こすために働いている。残念ながら、日本ではそこまで大規模な鉱山がないため、稼働はなし。同機の先代モデルにあたる930Eは累計1000台以上も生産しているという。
960Eのエンジンはなんと3500馬力! しかし、このクラスのダンプトラックとしては仕事量あたりの消費燃料を最低水準に抑えたそう。同エンジンは930Eのハイパワー仕様車「930E─SE」に搭載され、北米、チリ、オーストラリアで25万時間を超える稼働実績がある。積載量と生産効率、パワー、低燃費、操作性などを兼ね備え、鉱山用ダンプトラックとして魅力的な1台に仕上がっている。
はてさて気になるのがお値段だ。コマツの広報に聞いてみると、
「数億円です」
とのこと。うーん、高いのか安いのかわからない!
どうやって超大型ダンプトラックを現場まで運ぶのか?
コマツによると製造工場で骨組みまで作って完成させず、シャシー(ダンプの真ん中部分)、キャブ(運転席)、リヤアクスル(後ろのタイヤの車軸部分)、フロントアクスル(前のタイヤの車軸部分)、フェンダー(泥よけ)、燃料タンク、リム(タイヤが付いている部分)、ベッセル(背中の荷台部分)などを取り外した状態でトレーラーや船を使って世界各地の鉱山まで運ぶのだという。
部品が作業現場に届くと、まず広い場所に部品を並べて、クレーンとフォークリフトを使って組み立てていく。
「●日で完成!」という明確な基準があるのではなく、天候や購入者の都合を考慮しながら、数日から数十日かけて稼働可能な状態にするそう。
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