マツダ3がSKYACTIV-Xを大幅縮小? マツダ「奇跡のエンジン」の今後はどうなっちゃうの?

■毛籠新社長体制でSKYACTIV-Xの今後は?

ガソリンエンジンとクリーンディーゼルのいいとこ取りをした究極のエンジンという触れ込みで登場したSKYACTIV-Xだったが……
ガソリンエンジンとクリーンディーゼルのいいとこ取りをした究極のエンジンという触れ込みで登場したSKYACTIV-Xだったが……

 今後、マツダはSKYACTIV-Xをどうするんだろうか? 間もなくひとつの方向性が見えてくる。マイナーチェンジする予定のマツダ3のエンジンラインナップを調べてみると、SKYACTIV-Xはセダンの4WDのみにしか搭載されていないという。

 マツダ3といえばSKYACTIV-Xの象徴のような車種だ。驚くべきことに藤原前副社長体制時の販売比率はマツダ3のうちの30%を目論んでいた。

 普通のエンジンより50万円も高いSKYACTIV-Xをどうやって売ろうと考えたのか、まったく理解できない。事前の試乗会でメディアから大絶賛されたので調子に乗ったのかもしれません。

 興味深いことにマツダの新体制はSKYACTIV-Xが売れないということをしっかり認識しているように思う。SKYACTIV-Xの大攻勢を仕かける気はまったくないようだ。

■このままだとSKYACTIV-Xは絶版……か?

欧州では6気筒のSKYACTIV-Xを搭載したFRラージモデル第1弾のCX-60が間もなく発売されるという
欧州では6気筒のSKYACTIV-Xを搭載したFRラージモデル第1弾のCX-60が間もなく発売されるという

 しかも今後の発展性はない。そもそもピストンエンジンを販売できるのは欧州で2035年まで(ただし、2023年3月25日、EUは合成燃料「e-Fuel」を使うエンジン車は2035年以降も販売可能にするとアナウンスした)。

 その前の段階でエンジン車の絶対的な販売台数が急激に減っていくため、競争力のあるクルマしか生き残れなくなる。この場合の”競争力”とはブランドイメージがしっかりあって高くても売れるプレミアムセグメントのモデル、燃費のいいハイブリッド車です。SKYACTIV-Xは両方とも厳しい。

 ということで、このままだと絶版の方向に向かうことだろう。日本ではマツダ3のセダンの4WDという事実上売る気のないグレードを出して終息へ。欧州もCAFEの罰則金を払わなくてはならないため売らないほうがマツダにとって得になる。

 意地で出すものの、売れば売るほど赤字になりそう。逆にSKYACTIV-Xファンは、今のうちに買っておくことを強く薦めたい。

【画像ギャラリー】マツダ奇跡のエンジン、「SKYACTIV‐X」はこのままひっそりとなくなってしまうのか!?(24枚)画像ギャラリー

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