間もなく予定されているマツダ3の一部改良で、ガソリンとディーゼルのいいとこ取りをウリにして大々的に発売した「SKYACTIV-X」エンジンはファストバックから設定がなくなり、セダンの4WDモデル限定という超縮小ラインナップに移行する可能性があるという。SKYACTIV‐Xはこのままひっそりと消えていってしまうのか?
文/国沢光宏、写真/マツダ、ベストカー編集部
■マツダ3とCX-30の売れゆきは厳しい……
世界初の圧縮着火エンジン、SKYACTIV-Xの売れゆきが非常に厳しい。そもそもマツダ3とCX-30の売れゆきは伸び悩んでおり、2023年1月は両方で2931台、同年2月3595台という低空飛行。
SKYACTIV-Xの販売比率といえば5%を切っているため月に150台程度しか売れていないということになる。莫大な開発予算を投じて作ったエンジンだということを考えると150基じゃどうみても大赤字。
間もなくFRラージ商品群のCX-60に6気筒のSKYACTIV-Xを搭載したモデルを欧州で販売するようだけれど、厳しい燃費規制CAFE(企業平均燃費)をクリアできていない。
6気筒車を売ろうとしたら、電気自動車などで平均燃費を上げなければならないが、MX-30の売れゆきも厳しい。CX-60のSKYACTIV-Xを1台売ると、数十万円の燃費違約金を取られると思う。
2022年に退任した藤原清志前副社長が作った欧州におけるCAFE対応設計図は、SKYACTIV-X搭載のマツダ3を大量に販売し、電気自動車のMX-30で企業平均燃費を上げ、CX-60のSKYACTIV-Xにより利益を上げるというものだった。藤原さんやパワーユニット担当だった廣瀬一郎専務にそのように説明されましたから。もちろん私はみごとな「絵空事」だと理解した次第。できっこない。
■SKYACTIV-Xには魅力を感じない……
そもそもSKYACTIV-Xにパワーユニットとしての魅力がまったくなし。スペックは2L直4DOHC+スーパーチャージャーで最高出力190ps/最大トルク24.5kgm、WLTC燃費はマツダ3の6MT車で18.5km/L。
ロータリーエンジンのような特殊なエンジンフィールなら面白みもあるけれど、むしろ濁った燃焼音で気持ちよくない。スーパーチャージャーを使っているのに絶対的なパワーだってなし。燃費は20%くらいしかよくない。決定的だったのが価格である。ハイブリッドより高いのだった。
同業者の皆さんはSKYACTIV-Xを絶賛したけれど、私は忖度しない。よくないモノはよくない。何より読者を裏切っちゃならないと思っている。藤原前副社長チームに相当嫌われたものの、そんなの関係ない。
というかマツダ、メディアに好意的な記事を書かせるのが上手だと感心しきり。乗り心地が悪くて駆動系のギクシャクが出るCX-60だって皆さんは褒めまくりますから。
そんななか、藤原目副社長が突如退任した。客観的に見るとSKYACTIV-Xという技術、商品力は”ほぼ”ない。SKYACTIV-Xに巨額の開発費を使った人見光夫シニアフェローというピストンエンジンの天才(クルマにはまったく興味がない。本人がいつも言ってます笑)も知らんふりを決め込んでいる。なのに「販売する」と公言した以上、欧州では間もなく6気筒の販売を開始します。
コメント
コメントの使い方マツダ2の最後?のマイチェンも全く要らないし。デザインもマツダ2・3とコンセプトカーは良かったのに何故か劣化して出てくる。(まぁあのデザインで出てきても売れるかは別で、だからマーケティング力が必要。だけどニッチでいいってのを理由にして暴走してる。)cx30のデザインも全く冴えんし。だからcx5に頼るしかないというかcx5しか売れない。
マツダファンです。アクセラ乗ってます。マツダは大切な開発資金をジャブジャブ捨てて自分で自分の首を絞めてます。燃費の良くないロータリーハイブリッドなんて誰が買う?しかもmx30のデザイン最悪ですし。せめて次期マツダ2を開発してそれに載せるべきだった。バブル期と同じことをしてる。暴走を止める人がいない。マーケティング能力がないというか知ろうとしないから止める勇気がない。
むしろXがコケてくれたから、吹っ切れて電動車、EV開発に舵を切れるのでは?
電動車で鼓動デザインのハッとするようなカッコいいモデルを出してほしい。
今後、スカイアクティブ-Xは、ホンダのDDACエンジンのような末路をたどるのではないかと思う。片や水冷化の波に、片や電動化の波に抗う様に開発されたものの、それを成り立たせることが目的化され、システムは肥大化した。
間違いなく歴史に名を刻む車となるだろうから、大事に動態保存しておくといい。
何でもかんでもケチつければ良いってもんじゃないと思いますけどね。
MAZDA3もCX-30も中途半端にファミリー層向けの車だと思うし、車にお金かけられる層じゃないよねってことじゃないかな?
TOYOTAのハイブリッドに比べれば燃費で魅力ないし、HONDAのVTECKに比べればパワーで魅力なくても、凄くいい見方をすれば双方のいい部分を持った車と言えなくもないけど、それに60万以上追加して買うかと言われれば、他にもお金かかるものが沢山あるファミリー層は買えないよね。
典型的な失敗エンジン。ここまで開発費を掛け、大宣伝したものが速攻コケるのも珍しい。当時の執行部の盲信ぶりが良く分かる。
今後はどうやって畳むかの作業になるだろう。幸い例の役員は会社を去ったり要職からは外れたりしているので、心情的な障害はないと思う。
しかしマツダのCAFE対応の苦しみようを見ると、この開発費のいくらかでもHVやBEVの開発に充てられていたら…。
”マツダ、メディアに好意的な記事を書かせるのが上手だと感心しきり”
の部分はホントそう感じる
いっとき、どの評論家の書いた記事にも必ずと言っていいほど『美しいデザイン』ってキャッチフレーズが書かれていたけど、物凄い違和感を感じてたんですよね
皆が皆美しい美しい、っておかしくね
確かにマツダ3HBはカッコイイと思いますが
何かの意志が働いていたんだと・・・
「無駄に高い価格に見合った効果は無い」
これに尽きる。
雉が言うから反発されるだけで、皆解りきってる事。
電動ターボとかも似たようなもの。
耐熱合金等の材料費が高くつきすぎ、値段に見合うだけの効果は無い。
これらは効果ではなく技術力誇示が主目的になっている。
そこに価値を見出せば買えばよい。
だが売れ行きを見るに、多くの一般人には関心が無いとみえるな。
マツダ3のSKYACTIV Xのに試乗しましたが、確かに良さは分からなかったですね。トヨタのハイブリッドや日産のe-powerには特徴がありますが、これは普通のガソリン車のフィールでした。燃費もそれほど良く無さそう。マイルドハイブリッドでもありますが、ゴルフのマイルドハイブリッドのほうが積極的にエンジンを止めてモーターも活用していていい感じです。