爆裂ヒットとなった3代目プリウスに初代アクア。細かい話だが、これら2台はステアリングスイッチでエアコン操作が可能で使うとなかなか便利であった。でも今やハンドルで空調操作できる車種はほぼ皆無に。なぜ消えたのか!?
文:高山正寛/写真:ベストカーWeb編集部
■大画面が当たり前の今、操作パネルなど場所の取り合い状態に
昨今のクルマを見ると、やはり『CASE』戦略に沿ったクルマ作りが行われているのは周知の通り。
パワートレーンの“電動化”、ネットに接続することで外部からの情報をドライブに活かすことができる“コネクテッド”、そしてADAS(先進運転支援システム)などの標準化などにより、クルマの機能は日々進化している。
その一方で新しい機能を搭載することでその操作系(スイッチなど)が増えてくることで電装系とデザイン系の担当者はお互いに日々頭を悩ませている。
過去にも触れたことがあるが、インパネ周辺のスペースはインテリアにおける“一等地”と言われる。
筆者も頻繁に取材をする中、前述担当者の悩み(愚痴もある)を聞く機会も多いのだが、ナビのディスプレイが大型化され、メーター類のデジタル(液晶)化、表示できる項目もADAS領域などが加わることで双方の意見(コスト計算やクルマのコンセプトも含め)を両立させるのは並大抵ではない。
■超便利だったけど……ステアリングスイッチからエアコン操作不可に
前述したようにディスプレイ周りに限らずスイッチ類の配置も非常に難しい。
今回のテーマであるエアコンスイッチ、先々代のプリウスや初代のアクアにはステアリング右上部にエアコン操作スイッチが設置されていた(正確にはディスプレイ表示の切り替えとトリップメーター切り替えなども含む)。
このステアリングスイッチは「タッチトレーサーディスプレイ」と呼ばれる機能で、ドライバーがこのスイッチ(左側にもある)に「触れる」とセンターメーター(マルチインフォメーションディスプレイ)にどのスイッチに触れているかが点灯する。ここからさらにスイッチを「押し込む」ことでそれらの機能を作動させるというものだ。
この機能、実は非常に理にかなっており、これらのスイッチを操作する際の視線移動を極力減らすことができる。実際、筆者もプリウスを所有していた際には恩恵を受けており、慣れるとサクサク操作ができる。
しかし旧型、そして最新モデルからはエアコンの操作スイッチは廃止、昨今では搭載車を見つけるのは「有りそうで無い」のである。ではなぜ廃止方向になってしまったのだろうか。
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