■高いリセールバリューが販売を牽引し続けたアルファード
新車販売では、高く安定したリセールバリューを軸に、残価設定ローンなどを利用して販売台数を増やす。結果として短期保有と乗り替えが増え、中古車市場も活性化し、一気に知名度と人気を高めた。
若年層から高齢層までアルファードの支持層は幅広い。そのうえで高級車に手を出しにくかった若年層が、高いリセールバリューを味方につけてアルファードを購入できるようになったのが販売面の革命的な出来事のひとつだ。
憧れのクルマを負担の少ない残価設定ローンで所有することができ、販売台数は大きく伸びる。20代や30代という若年層がアルファードに乗ることで、アフターパーツマーケットの規模も拡大していった。
爆発的に売れた高級ミニバンが、車両販売からアフターマーケットまで冷え込んでいた自動車関連すべての経済を活性化させたのだ。日本の高級車は全般にリセールバリューが弱かったが、アルファードは常識を覆し、各所に大きな経済効果をもたらしている。
■売り手と買い手、世間に認められる「三方よし」が不可欠だ
一般ユーザーと自動車業界に従事する者の、クルマを見る視点は少し違う。クルマという工業製品に対する完成度を多面的に考えるため、その評価は単純な人気だけでは決められない。
いろいろな意味での「いいクルマ」があるが、いいクルマアワードで選ばれた2台からは、「売り手によし、買い手によし、世間によし」の三方よしの理念を感じる。自動車業界全体が底堅く成長していくためには、今後もこのような「いいクルマ」が数多く必要となるだろう。
プリウスとアルファードに続く「いいクルマ」が、2023年も数多く登場することを期待している。
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