覆水盆に返らず…じゃない!! 「AT限定免許卒業宣言」する方法とは?

AT限定免許で不便なことは? AT限定免許でMT車を運転するのはどんな違反?

覆水盆に返らず…じゃない!! 「AT限定免許卒業宣言」する方法とは?
AT限定免許でMT車を運転するのは違法な行為であるのは間違いない。しかし、いわゆる無免許運転になるわけではなく、免許条件違反に相当する

 AT限定免許しか持っていない場合、当然ながら公道でMT車を運転することはできない。もし、AT限定免許でMT車を運転してしまった時は免許条件違反に問われることになる。この免許条件違反は普通車免許で大型車を運転した場合などにも適用される。

 技術的にもMT車の運転ができないということは、MT車に同乗していて、何らかの理由でドライバーがそれ以上運転を継続できなくなった状況でも運転を代わるのは不可能だ。もちろんこうしたケースは極めて稀だが、やはり運転できるのとできないのとでは違いがある。

 また、これは現在ほとんど言われなくなったことだが、かつてはMT車の運転ができないことを恥ずかしいと思う風潮があった。それゆえにAT車しか乗らないにもかかわらず、運転免許はあえて普通を取得した人もいる。しかし、そもそもMT車が激減している現代においてAT限定免許が恥ずかしいと思われることはない。

 一般車両でのMT車は特に日本国内では絶滅に近い状態にある。だが、スポーツカーにはまだまだMT車が設定されていることも多く、こうしたクルマに乗るためには普通免許は必須。もっとも、スポーツカーに乗りたい人は最初からAT限定免許を選ばないだろう。

やっぱりMT車を運転したい!? 免許の変更はできるの?

覆水盆に返らず…じゃない!! 「AT限定免許卒業宣言」する方法とは?
マニュアルトランスミッションでのシフトチェンジとクラッチ操作をうまくシンクロさせるのは運転の楽しさでもある。一度はMT車をドライブしてみたい?

 さて、免許取得時にはAT限定を選んだものの、その後MT車も運転したくなった、あるいはMT車を運転する必要が生じた場合に免許の変更は可能なのだろうか? 答はイエスだ。

 AT限定からMT車の運転も可能な免許に変更するには「限定解除」の手続きを行う。これはバイクの免許を小型限定から大型車も可能にするのと同様だ。そしてAT限定を解除するには以下のふたつの方法がある。

 ひとつめは自動車教習所に通って講習を受け、審査の後にAT限定を解除するというもの。最低4時間の受講があり、そこでシフト&クラッチやその他の操作を学ぶ。そして教習所内での技能試験(卒業検定)を受けて、これに合格すれば、後は運転免許センターで限定解除の手続きをするだけ。

 教習所で限定解除を行うメリットは、プロの教官から操作を学べること。AT限定免許取得時に運転についてひととおり勉強してはいるはずだが、初めてのシフト&クラッチ操作を直接教えてもらえるのは大きい。

 反対に教習所で限定解除するデメリットは時間と費用がかかること。教習所での技能講習は1日2時間(条件付き3時間)までと決まっているため、最短でも2日間の講習と審査1日の3日間が必要になる。そして講習と検定で5万円程度の料金が発生する。もちろん、検定にパスできなかった場合はさらなる費用がかかってしまう。

 教習所には行かずに免許センターで直接技能審査を受けて限定を解除するという方法もある。この場合、費用は免許センターでの受験料1450円と、試験車使用料の1550円だけで済む。さらに時間も1日のみなので、教習所より短くなる。

 だが、いきなり技能試験を受けて合格するのはかなりハードルが高い。よほど運転に自信がない限りは教習所で受講→受験のほうが無難で、結果的に時間や費用を節約できる可能性もある。

 いずれにせよ、AT限定を解除してしまえば公道でMT車の運転ができるようになる。アナログで不便な点も多いMT車だが、運転する楽しさを味わいたいなら魅力的なのも事実。MT車での経験がAT車を運転する際に生きることも多い。

 今後はますます取得率が増えることも予想されるAT限定免許だが、アクセルとブレーキの踏み間違い事故の可能性を減らすことのできるMT車にもメリットはある。将来に備えて自身の運転に対するスタンスを一度じっくりと考えてみるのもいいかもしれない。

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