車中泊は日常から逃れる素晴らしい体験だが、年間300泊以上もクルマに泊まるとなると、技術やノウハウも必要だろう。今回はそんな「バン ライフ」を送る車中泊の達人に、クルマで快適に寝るためのコツを聞いてみた!
文/ベストカーWeb編集部、写真/中野幸次、ホンダ
■ポータブル電源はあえて小容量のものを
今回ご登場いただくruiさんは、コロナ禍でリモートワークが日常となったことをきっかけに、それまで仕事の足としていたホンダN-VANでバンライフを始めたという方。基本的にはN-VANを家代わり&部屋代わりとしており、年間300泊以上もクルマで過ごすという車中泊の達人だ。
最初は寝袋ひとつでスタートしたというN-VANライフだが、2年ほど前にDIYによるカスタマイズを思い立ち、自分流のクルマ作りが始まった。基本的には100均などで手に入る安価な素材を使うとのことだが、車内をのぞいてみるとチープさなどみじんも感じさせないみごとな仕上がり。友人の三畳間に転がり込んだような、妙に落ち着く雰囲気が漂う。
テーブルや棚はウッド、ラグマットなど敷物はアジアンテイストでまとめられているのだが、特にラゲッジエリアをアレンジしたベッド&ワークスペースは圧巻。M6ボルトが活用できるN-VANのユーティリティナットもフル活用したとのことだが、それ以外にも運転席のヘッドルームに干渉するような工作はせず、木製素材には難燃性のものを選ぶなど、法規的な面もしっかり考えている点に感動した。
年間300泊もするとなると、車内はアイデアの塊。たとえばルーフにはソーラーパネルを設置しているし、リアハッチを開けるとテーブルが外へ展開できる。
ベッドはたたむと仕事用の椅子になるし、寝袋は使わないとき、クッションカバーの中に詰めて生活感を消している。車中泊に欠かせないポータブル電源はあえて小容量のものを複数台使い回すとのことだが、これは食事などの際に手軽に持ち出せて、かつすぐ満充電にできる点を重視したためだそうだ。
食器類や衣類などはもちろん機能的に収納されているのだが、やたらと合理性ばかり追求せず、適度な雑然さも残している点も重要なようだ。お気に入りのものに囲まれることで長い車中泊生活でも飽きないし、愛着も生まれる。もはやクルマが自分の部屋なのだから、当然といえば当然の配慮なのかもしれない。
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