日本自動車工業会は豊田章男会長が退任することを発表したが急遽、もう1年延長して務めることになった。豊田章男会長が主導して2023年の東京モーターショーは名称を「TOKYO MOBILITY SHOW 2023」に変えるが、どのようなクルマの祭典にしていくべきなのか?
文/国沢光宏、写真/トヨタ、ベストカー編集部、日本自工会
■東京モーターショーのない年は代替に東京モーターフェスが立ち上がったが……
40年以上自動車業界を見てきたけれど、自工会(日本自動車工業会)の動きがかつてないくらい激しい。そもそも自工会といえば東京モーターショーの主催が最大の仕事というイメージで、親睦団体といった存在だった。
実際、自工会の会長は自動車メーカーの各社持ち回りであり、東京モーターショーの名前貸しのようなもの。東京モーターショー、普通に開催すれば人は入りました。
しかし、10年くらい前から東京モーターショーの人気が陰りだし、入場者数も急減。2007年まではコンスタントに150万人程度の入場者数だったものの、2013年に90万人、2015年は81万人、2017年は77万人といった具合。明らかな退潮です。
そんな状況なのに自工会会長は東京モーターショーについて手を打ってこなかった。前述のとおり、お飾りのようなものだったからです。
そんなタイミングの2018年に豊田章男さんが自工会会長に就任した。会長の任期は基本的に2年。任期中に東京モータ-ショーを1回担当する。東京モーターショーの地盤沈下に危機感を持った章男さんは2019年の復権に向け、精力的に動き出した。
ちなみに、2012~2014年も章男さんが会長。当時は東日本大震災やタイの洪水などの余波に翻弄されていたけれど、東京モーターフェスを立ち上げた。
モーターフェスは「隔年開催となる東京モーターショーの裏年になんかやろう!」という章男さんの提案から始まったもの。2014年こそ賑やかに始まったものの、2回目の2016年は自工会会長の交代期だったこともあり(5月にホンダの池さんから日産の西川さんにバトンタッチ)、ほとんどやる気なし。出展社数も入場者数も激減となる超しょっぱいイベントでした。
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