日々パソコンなどの精密機器を使っていて、突然機器の調子が悪くなった(と感じる)ことはあるだろう。「何もしてないのに壊れた」と思ってしまいがちだが(筆者もそう思うことは度々ある)、実際には気づかないうちに不具合に繋がることをやってしまっていることが多い。
ただ、クルマの場合は、本当に何もしていないのに壊れることがある。しかしそれは、何もしていない「のに」壊れた、ではなく、何もしていない「から」壊れたわけで、クルマには日常的なメンテナンスが必要だということを忘れてしまう(もしくは知らない)人が多いように思う。
そもそも運転者は(道路運送車両法第47条の2により)日常点検が定められており、そのうえで(同法第48条により)1年ごと、2年ごとに決められた項目の定期点検整備が定められている。クルマの点検と整備は、運転する者の義務なのだ。クルマを長持ちさせるために必要なメンテナンスについて、確認や交換が必要なサイクル別にご紹介しよう。
文:吉川賢一
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写真:Adobe Stock、写真AC
月に1回は、タイヤの空気圧&摩耗具合チェックを!!
カーメンテにおいてもっとも簡単で基本的でありながら、気にしているドライバーが本当に少ないのが、タイヤ空気圧だ。乗用車用タイヤは、1カ月で約5~10%(10~20kPa)自然に空気圧が低下するため、割とこまめなエアチェックが必要。月に1度は、適正な空気圧となっているか、確認するようにしてほしい。
空気圧が不足すると、タイヤの変形量が増えることで、転がり抵抗が増加してしまい、燃費悪化につながる。空気圧の低下はほかにも、タイヤのバーストなども引き起こす。燃料代が高止まり状態となっているいまは、少しでも燃費はよくしたいところだし、タイヤがバーストしてしまえば、数万円単位でお金が吹っ飛んでしまうばかりか、事故を引き起こし、他人に怪我を負わせてしまうリスクもある。
簡易的なエアゲージは1000円程度で手に入るので、ひとつ持っておくと便利。空気圧は、走行によってタイヤが温まると上昇するため、できるだけ走行前に点検、調節をするようにしてほしい。
また同時に、タイヤの摩耗もチェックしておきたい。摩耗が進んだタイヤだと、ウェット路面の高速走行で、クルマが制御不能となるハイドロプレーニング現象を引き起こしやすくなる。雨の季節を迎える前のこの時期は、特に確認しておきたいポイントだ。
ご存じのとおり、タイヤの摩耗による使用限界は「スリップサイン」によって確認できる。スリップサインは、タイヤの溝にある盛り上がった部分(高さ1.6mm)のことで、全周で4~9箇所設置されている。このスリップサインと接地面が同じ高さになったら、そのタイヤは使用限界だ。目視しにくいタイヤ内側であっても、手で触れれば残り溝があるかどうかはわかる。空気圧チェックと同時に、さっとチェックするようにしてほしい。
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