■ジェット機専用だからジェット燃料?
軽油の上の層に来るのがジェット燃料(ケロシン)だ。無色透明で、ものによるが引火点は38度C程度〜。ストーブに使う灯油とほぼ同じ成分であるのは良く知られるようになった。
「ジェット燃料」と言うくらいなので、ジェット機に使うのはもちろんだ。ただし、最近のプロペラ旅客機が積んでいるターボプロップエンジンはジェットエンジンの一種であり、共通してジェット燃料が使える。
いわゆるガスタービンエンジンと呼ばれるものを搭載していれば、ヘリコプターでもジェット燃料が指定となり、固定翼が付いた飛行機専用というわけでもない。
また、軍用の船舶向けガスタービンエンジンの中には、「何でも燃やせる」モデルが存在し、使用可能な燃料にジェット燃料が含まれる。
■自家用車で毎度おなじみ! ガソリン
ジェット燃料の上の層がガソリンに相当する。主に販売用はオレンジに着色されている。引火点がマイナス40度Cと非常に低く、かなり燃えやすい性質を持っている。
バイクや軽自動車、普通乗用車、小型トラック等、生活に密着した小さめの乗り物には大抵ガソリンエンジンが搭載されている。ハイブリッド仕様の普通乗用車も、大元のエネルギー源はガソリンだ。
燃料の価格がやや高めであるのと効率の観点から、ガソリンを燃料に用いる大型自動車は殆ど作られなくなって久しい。
■もっぱら業務用のイメージ…LPG
蒸留塔の最も上に溜まるガス、それがLPGだ。細かく言えばLPGも用途ごとに成分が異なるのだが、一般的には全て引っくるめてLPガスやプロパンガスと呼ばれる。無色で、燃やすと水が出る特性がある。
このLPGもまた、乗り物の燃料として使われる。ただし業務用の車両に範囲が限られる印象が強い。LPGを燃料にする特に有名な存在がタクシーだろう。
タクシー車両のほか、数はそれほど多くないながらも、自動車教習所の教習車や配送用小型トラック、小型送迎バス、幼稚園バス車両などにもLPG仕様が作られている。
原油から作られる様々な燃料……指定の燃料別に乗り物を区分けしてみると、乗り物のジャンル毎に割とハッキリした線引きが可能で、適材適所の如く、燃料も種類によって用途の棲み分けがなされているように感じた。
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