オシャレだけどちょっと高価…急増した「2トーンカラー車」の理由と事情

高級車や電気自動車、SUVにも

 現在は、軽自動車に限らず、高級車、電気自動車、SUV、コンパクトカーとほとんどのジャンルのクルマに2カラールーフ、特にブラックルーフが採用されています。代表的な3つのモデルを紹介します。

 2022年に登場したトヨタ新型「クラウンクロスオーバー」は、斬新なスタイリングとカラーリングが注目されています。6種のモノトーンをベースに、「バイトーン」とよばれる5種の2トーンルーフを用意。ボンネットからルーフ、テールランプ周辺までブラックにした大胆なカラーリングで、ゴールドボディおよびレッドボディにブラックルーフを組み合わせています。斬新なSUVスタイルと2トーンルーフの組み合わせによって、「新世代のクラウン」を感じさせます。

2022年デビューのトヨタ「クラウン(クロスオーバーRS Advanced)。エモーショナルレッド+ブラックルーフのバイトーン、ボンネットからルーフ、テールランプ周辺までブラックにした大胆なカラーリングを採用
2022年デビューのトヨタ「クラウン(クロスオーバーRS Advanced)。エモーショナルレッド+ブラックルーフのバイトーン、ボンネットからルーフ、テールランプ周辺までブラックにした大胆なカラーリングを採用

 同じく2022年に登場した日産の電気自動車「アリア」は、モノトーン3種と6種の2トーンルーフを用意しています。最も人気があるのは、シルバー系およびホワイト系ボディにブラックルーフの2トーンルーフで、ボディとルーフのメリハリが強調され、引き締まった美しさが印象的です。

2021年デビューの電気自動車、日産「アリア」(写真は、サンライズカッパーボディ+ミッドナイトブラックルーフ)
2021年デビューの電気自動車、日産「アリア」(写真は、サンライズカッパーボディ+ミッドナイトブラックルーフ)

 2021年にフルモデルチェンジした三菱の新型「アウトランダーPHEV」も、モノトーン8種と2種の2トーンルーフを用意しています。2トーンルーフのひとつは、ホワイト系ボディにブラックルーフでアクセントをつけてスポーティな雰囲気に、もうひとつはブラック系ボディにブロンズメタリックのルーフによる個性的なコンビネーションで、SUVらしい力強さとお洒落感を演出しています。

2022年デビューの新型三菱「アウトランダーPHEV」(写真は、ホワイトダイヤモンドボディ+ブラックルーフ)
2022年デビューの新型三菱「アウトランダーPHEV」(写真は、ホワイトダイヤモンドボディ+ブラックルーフ)

魅力倍増の2トーンルーフ ただ価格は数万~20万円程度も上昇

 2トーンルーフは、ほとんどが特別塗装の有償色。例に挙げたハスラーでは+4.4万円、N-BOXも+5.94万~8.1万円、クラウンは+6.5万円、アリアは+5.5万~17.6万円、アウトランダーは+13.2万円となっているなど、それなりに高価なオプションです。

 ただ最近の2トーンカラー車の増えかたを見る限り、ユーザーは、価格の上昇以上に、好みの配色を選ぶ楽しさやファッショナブル性、特別感を持てるといったメリットが大きいと判断しているようです。クルマのスタイルとともに、カラーリングがクルマ選択の重要なアイテムになっている証かもしれません。

 ブラックルーフが多いことについては、日本人はもともと派手なカラーリングを好まないことから、たとえ派手目のボディカラーであっても、黒いルーフでアクセントをつけることによって、ボディが引き締まって落ち着いた雰囲気になったり、組み合わせによっては、スポーティさを強調できるからではないでしょうか。

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 比較的似通ったスタイリングのクルマが多い昨今、より個性的なクルマを求める人へのひとつの回答が、2トーンルーフ、ブラックルーフなのでしょう。同じモデルでも比較的容易にイメージが変えられる2トーンルーフは、今後さらに採用が進むことが予想されます。

【画像ギャラリー】ルーフを違う色にするだけで、こんなにも印象が違う!! 2トーンルーフを採用するクルマの一例(7枚)画像ギャラリー

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