モデルチェンジから時間が経ったクルマは「モデル末期」と呼ばれ、その響きにはネガティブな印象が含まれている。しかしそれは熟成され「完成形」となったともいえる。ここではそんな「熟成車」として2017年発売のマツダ CX-5をご紹介!!
※本稿は2023年4月のものです
文/渡辺陽一郎、写真/MAZDA、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2023年5月10日号
■認定熟成車/マツダ CX-5
・現行型登場:2016年12月15日
・熟成期間:6年4カ月
●完熟への足跡
・2016年12月15日 デビュー
・2018年2月8日 ガソリン1ps、ディーゼルを15psパワーアップ
・2020年12月10日 ディーゼルを10psパワーアップ(発生回転数引き下げ)
・2021年11月8日 フレームに減衰構造採用。スプリング&ダンパー特性改良
■頻繁な改良で魅力をキープ
CX-5は2.2Lクリーンディーゼルターボなど走行性能に力を入れる。価格もミドルサイズSUVでは割安で、登録台数も多い。
2016年末にデビューし2018年2月には早くも改良を実施して動力性能を向上させた。ディーゼルが注目され、最大トルクを従来の42.8kgmから今と同じ45.9kgmに高めた。
同じ2018年の10月には、再び改良を行い、2.5Lガソリンターボを加えて安全装備も充実。綿密な改良は好ましいが、半年で変わると、ユーザーも「いつ買えばいいのかわからない」と戸惑っていた。
2019年の改良では、悪路で駆動力の伝達効率を高めるオフロード・トラクション・アシストを4WDに採用。空転するホイールにブレーキを作動させ、立ち往生を防ぐ。
2020年にもディーゼルの最高出力を200psに高めた。ガソリンを含めて、アクセル操作による細かな駆動力の調節が容易になった。センターディスプレイの画面もユーザーのニーズに合わせて拡大している。
2021年にはフロントグリルの形状を刷新させ、ボディに減衰構造を組み込み、足回りの特性も見直した。シートフレームの取り付け剛性も向上している。2022年には塗装も進化させている。
■機構や装備の共通化で地道な進化が可能に
以上のようにCX-5は、さまざまな機能を地道に進化させている。乗り心地、悪路走破力、ディスプレイのサイズなど、ユーザーの不満に応えた改善も多い。マツダはメカニズムや装備の共通化を進めたから、ひとつの車種に改良を加えると他車にも応用できる。この特徴を生かして熟成度を高めた。
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