日本では1998年の消防法の改正により、「顧客に自ら給油などをさせる給油取扱所」が認められ、普及が進んだセルフ式ガソリンスタンド。今では広く普及していて、すっかりと馴染んだイメージだ。そんなセルフ式ガソリンスタンドの誕生背景や歴史を振り返ってみよう。
文/西川昇吾、写真/フォード、Adobe Stock(トップ画像=beeboys@AdobeStock)
■実は数はフルサービスの方が多いけど…
地域によってはフルサービスのガソリンスタンドの方が珍しくなったという声もあるかもしれない。一般財団法人日本エネルギー経済研究所 石油情報センターによると令和4年(2022年)3月末時点で、セルフSSの数は10,608箇所で、SS全体の28,475箇所の内37.3%とされている。
意外と少ないという声があるかもしれないが、2017年の統計ではセルフSSで販売されたガソリンの量は国内で流通するガソリンの約64%だとされている。幹線道路沿いや主要道路沿いにあって良く使われるスタンドがセルフSSになっているということだろう。販売量が少ない小さなSSはまだまだフルサービスが多いものと考えられる。
■元々整備工場で販売されていたガソリン
利用者が自分で給油するというスタイルはアメリカを中心に諸外国で普及していた。特に進んでいたと言われているのがアメリカだ。
元々ガソリンスタンドはアメリカで生まれたとも言われている。T型フォードの販売が1908年であり、ここから自動車の個人所有がアメリカでは広まっていった。
当時の自動車は現代と比べると故障が多く、全米に約18,500ものの修理工場があったという。そしてこの修理工場がガソリンの販売などをしていた。他にもガソリンは容器に入れる形で小売りされていたそうだ。
しかし、自動車の数が増えてガソリンが大量に使われるようになると、これでは効率が悪いとされた。ガソリンスタンド自体の誕生時期は正確には定かではないが、給油ポンプが1910年に、タンクローリーが1911年に登場した。そこに計算機を備えたガソリンポンプが当時の主力の販売方法として確立された。
地下タンク式のガソリンスタンドが登場すると、修理工場でのガソリン販売は姿を消し、1920年代にはガソリンスタンドは爆発的に増えたと言われている。
コメント
コメントの使い方セルフでもかなりの上下幅ありますよね。元売り大手は高く、コストコやイオンのペトラス等元売りから安く仕入れる方がガソリンも安い。当然他の買い物でも稼げるからなのだろうけど。
因みにコストコは遠いので使いません。イオンモールも日常の生活圏ではないので普通のセルフスタンド。
リッター90円時代は少しでも安い店にと思って車走らせてたけど、燃費は良くなったと言えど走るだけ高く付くガソリン代の今は…。
私の住んでいる地域ではフルサービスの店舗はほんの僅かしかなく、セルフ式の店舗が多数営業中で価格が安くとても助かる。安いと言われているコストコのガソリンスタンドと比べても1Lあたり5円と違わない。