自動車のアイデンティティを盛り上げるアクセサリーといえばメーカーエンブレム……高級車になるほどその傾向が強くなるが、本体価格でならスーパーカーに劣らない路線バス車両のエンブレム事情はどうなっているのだろう?
文・写真:中山修一
■フロント周りのメーカーエンブレムやロゴ関係に注目
普通乗用車全般で、最も目立つエンブレムの取り付け位置はフロント周りということで、バス車両でも前面に絞って見てみよう。
ここではメーカーのロゴマークや車両のペットネームも、フロント周りに飾られてさえいれば、メーカーエンブレムに含めることにした。プレート/ステッカー等の材質も問わない。
1990年代頃までに作られたバス車両には、結構な割合でメーカーエンブレムの類が取り付けられていた。昔はボディとシャーシを別々のメーカーで製造していたが、シャーシを作ったメーカーのエンブレムを掲げるのが一般的だった。
バリアフリーの観点を重視した車両が主流になって以降、メーカーエンブレム付きを見かける機会もめっきり減ったような気がする。これは地域的なものなのか、それとも全国的に珍しくなったのか……
……以前、バスのホイールに色が付けられている全国の割合を調査してレポートした。今回も同じバス事業者100社(者)をサンプルに、メーカーエンブレム付き車両の有無を、例によってザックリであるがチェックしてみた。
各事業者が保有している中型・大型路線車が対象で、ワゴン車、マイクロバス、小型路線車、高速車、貸切車、現役路線車でも年式が極端に古い車種は除外してある。
■各地のエンブレム事情はいかに!? 北海道・東北地方の路線車
ここでは「あり」「混在」「なし」の3項目に分類した。「あり」はエンブレム付きが目立つレベル、「混在」はエンブレム無しと有りの両方が揃っている、「なし」はエンブレム無しが基本、となっている。
【北海道:10事業者】
あり:0
混在:3(宗谷バス、函館バス、北海道中央バス)
なし:7(旭川電気軌道、沿岸バス、網走バス、道南バス、釧路バス、十勝バス、北海道拓殖バス)
【東北:10事業者】
あり:3(青森市営バス、八戸市交通局、弘南バス)
混在:4(岩手県交通、山交バス、秋田中央交通、福島交通)
なし:3(岩手県北バス、仙台市営バス、秋北バス)