■アウトランダーPHEVの街中性能は!?
●街中を走ってどうなの?
SUV+PHEVのパイオニアであるアウトランダーは、現行型に進化してボディを拡大。旧型で達成できなかった7人乗り仕様を登場させるなど、いろいろと充実してきた。
ただ、おかげで重量はラングラーに続く2番目に重たい2110kg。それに対応するかのようにタイヤ&ホイールはナント20インチである。街乗りでこのあたりがどう出るのかは興味深い。
走り出すと反応が急激ではなく、踏み始めが穏やかで扱いやすいところが印象的。重たい車体がジワっと動いて行く感覚は軽快さとは対極にあるが、それが逆に優雅な感覚にさせてくれるところもある。だが、後半の伸び感があり爽快さも得られるから嬉しい。
●街中での乗り心地は?
シャシーは悪路重視の印象で、柔らかくゆったり。それはストロークを確保したかったという理由もあるのだろう。20インチ装着のせいか、突起の乗り越しなどではフロント側がガツンとやられることもあったが、基本的にはフワッとあたりが柔らかい感覚がいつまでも続いている。
EV走行を続ける限りはモーターやインバータの音はうまく抑えられており、嫌味のないスッキリとした感覚だ。ゆりかごで静かに運ばれているかのようなフィーリングはグッド。ブレーキは停止寸前に扱いにくさが残っていた。
低速では大きめのステアリングを素早く回すことが要求されたりと、路地裏では扱いにくいところもあったが、あのゆったりどっしり感があるのなら許せるか!? 結果としてハンドリングは、やや大味な感覚で、ゆったりじんわり動く感覚が乗り心地同様に続いている。
●どんな人にオススメ?
あくまでも悪路を前提とした立ち振る舞いは、本格的に雪やダートに立ち向かうアウトドア派にオススメ。ソフトな乗り味が好きな人にもピッタリだ。
重量級ボディながらモーターらしいスムーズな加速が魅力。急な負荷などをかけない限りエンジンはほぼかからず。エンジン始動時も音は不快ではない。今回テストして電費の達成率はナンバーワン!!
■CX-60PHEVの街中性能は!?
●街中を走ってどうなの?
EV化へ向かう昨今のクルマたちは、没個性になるのではと危惧していたが、このクルマに乗るとそんな心配が取り越し苦労であったことに気付かされるくらいに味が濃く、いい意味でクセがたまらない。
まず驚いたのがインバータやモーターの音だ。まるでエンジンが吹け上がるかのように感じさせてくれるのだ。
それが狙いなのか否かは定かじゃないが、シューン、シューンと発するその音は、初めは耳障りだと感じていたにもかかわらず、乗るほどに病みつきになっている自分に気づく。
そこにシフトアップが加わっていくのだ。街乗りであったとしてもテンポよくシフトアップを繰り返す。この合わせ技はまるで京急電鉄のドレミファインバータを思い起こさせてくれる。
ただ、登り坂で低速走行だったりすると、ギアが1速と2速を迷ったりしてギクシャクしてしまうなど、まだアラが出てしまうが、それもセッティングが煮詰まってくればクリアしていけるのだろう。
こうした独特な作りのせいか、電費も達成率も悪いという結果になってしまったが、面白さや可能性を感じたことは事実。モーター走行だってこうすれば面白いでしょ? と訴えかけているかのようだ。
●街中での乗り心地は?
乗り心地については低速であってもバウンシングや突き上げが感じられ、一体感のない動きは改善してほしいポイント。けれどもハンドリング自体はステアリングが重すぎるところが気になったが、面白さには繋がっているようにも感じる。
また、ブレーキのダイレクト感やコントロール性はピカイチで、綺麗に停止できたところが心地よかった。
●どんな人にオススメ?
どこまで行ってもやはり走りの愉しさを追求したいと思える仕上がりをしていたから、このクルマは走り好きに選んでほしい一台だ。
加速性能については、タイムはライバルに劣るが、数字以上の気持ちよさがある。それは室内に入ってくる音とも影響があり、マツダ車らしくスポーツ心を掻き立ててくれる。電費面では少々厳しい感じ。
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