■ジープラングラー4×eの街中性能は!?
●街中を走ってどうなの?
車両価格が1000万円オーバーと、やや反則気味なジープラングラー。それ以外にも、唯一のラダーフレームだったり、おかげで重量が2350kgもあったり、はたまた全幅は1930mmだったりと、何もかもが規格外。
今回のPHEV企画としては特化していてほしかったEV走行可能距離(WLTC)は42kmと4車中最も短い。
だが、そんな細かな話はどうでもいいと思えるくらい、このクルマはキャラクターが濃いところだらけだ。
走り始めて驚いたというか、改めて気付かされたのは、このクルマが電費だとか環境だとかを第一に考えてはいないということだった。あくまでも目的は悪路走破性なのだ。
だからタイヤはオフロードを考えたゴツいものを履き、結果として走り出すとパワーユニットは静かなのに、いきなりタイヤのパターンノイズがごろごろと車室内に襲ってくるのだ。確かに、モーター走行するクルマはほかの音が気になると言うが、それを隠そうともせず、むしろ全面に押し出してくる。
モーターは、力強さはそれほどないが、踏めばきちんと応答する感覚。アクセルはオフした瞬間から減速感が大きく、ほぼワンペダルで走れてしまいそうだ。
●乗り心地は?
乗り心地はあくまでマイルド。ラダーフレームらしい独特の応答遅れや入力のいなし、前述したタイヤのたわみを利用して突起を見事にクリア。うねりも上手く収めて重さもいい方向に作用している。
取り回しは全幅1930mmであるため言わずもがな。ちょっと慣れが必要だろう。
●どんな人にオススメ?
扱いにくかろうが、うるさかろうが、これに乗りたいんだと思える人が選ぶべき一台であることに変わりはない。PHEV化したが、日和っていないところがグッド!
超重量級ボディにより速くはないが、起動トルクの立ち上がりは4車で一番。タイヤノイズが大きいが、これがジープ!! 電費は表示されないが、ドライブモードを切り替えてEV走行可能距離を伸ばせる。
■色々キャラがあって面白い!!
音羽ニュルを主戦場として比較が行われた今回の試乗を振り返ると、まだまだクルマの個性は失われそうにないなと思えたことが何よりも大収穫だった。
あまり特徴がないと踏んでいたハリアーは扱いやすさやキビキビとした身のこなし、さらにはクセを出さないアクセルの反応などが逆に個性的。アウトランダーはオフロード前提にしたことがゆったり感にも繋がり、意外にも都会にマッチするかもと思えたことが面白かった。
そしてCX-60はやはりSUVだのPHEVだの言っても走りを大切にしたかったことが肌で伝わってきた。ラングラーは相変わらずのアメリカンオフローダーぶりにホッとしたし、笑顔になれたことが嬉しかった。
もうクルマに夢が持てないのではないかと考えたこともあったが、このクルマたちを見ていると決してそんなことはないのだと背中を押されたような気分だ。PHEVでそんなことが、しかも街中で見えてくるとは……。音羽ニュル恐るべし!?
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