大都会にある利用者が極端に多い大抵の駅には、出入口が数箇所設けてある。各出入口の近くにバス停が置かれると、「○○駅西口」や「○○駅東口」のような、名称に方角を加えて区別をつけるのが一般的に思えるが、実際のところ駅最寄りバス停の東西南北率は何%くらいだろうか?
文・写真:中山修一
■大都会の100駅からバス停名を調べてみる
今回は、1日あたりの利用者が特に多い鉄道駅のうち上位100カ所から、バス停名のデータを取ってみることにした。小は10万人台から大は300万人以上まで、おのずと首都圏の駅ばかりがそろった。
各駅の出入口から最も近い場所にあるバス停を対象に、東西南北率をチェックしていくが、その場所固有の地名や施設・企業名などを名称に含む停留所は除外してある。サンプルの駅は以下の通りだ。
【10万〜20万人未満】
和光市、桜木町、表参道、八丁堀、王子、浦和、大森、鶴見、青山一丁目、赤羽、三鷹
【20万〜30万人未満】
川越、本八幡、中央林間、門前仲町、水道橋、日比谷、あざみ野、練馬、上大岡、三田、大船、橋本、六本木、浅草、大和、下北沢、春日、新宿三丁目、菊名、巣鴨、長津田、大門、原宿、豊洲、銀座、御茶ノ水、御徒町、新横浜、千葉、津田沼、荻窪、神田、九段下
【30万〜40万人未満】
日本橋、南越谷、朝霞台、海老名、松戸、戸塚、田町、錦糸町、四ツ谷、日吉、登戸、新木場、小竹向原、国分寺、市ヶ谷、神保町、溝の口、日暮里、柏、西日暮里
【40万〜50万人未満】
藤沢、飯田橋、恵比寿、立川、泉岳寺、中目黒、吉祥寺、大井町、浜松町、蒲田、中野、五反田、大手町、武蔵小杉、綾瀬、船橋、大崎
【50万〜100万人未満】
町田、有楽町、川崎、代々木上原、上野、西船橋、大宮、目黒、押上、秋葉原、高田馬場、新橋
【100万人以上】
品川、東京、北千住、横浜、池袋、渋谷、新宿
■さて、多数派はどの方角か!?
これら駅に関連するバス停の名称をそれぞれ調べた上で、パーセンテージに変えてみると、以下のような結果が出た。
・○○駅東口 27%(27/100駅)
・○○駅西口 22%(22/100駅)
・○○駅南口 18%(18/100駅)
・○○駅北口 19%(19/100駅)
最も割合が高かったのが「東口」の27%、低かったのは「南口」の18%だった。規模が大きな駅へ行けば、どこにでも南口や東口など方角を名称に含めたバス停が一つくらいはある、ワケでもないようだ。
では、東西南北以外に駅最寄りバス停名に添えられている説明語にどんなものが多いかと言えば……
・○○駅前 44%(44/100駅)
・○○駅 49%(49/100駅)
……であった。「○○駅前」か、そのまま「○○駅」と言い切ってしまう、ごくシンプルな停留所名が4割以上にのぼった。
同じ駅でも、乗り入れるバス事業者ごとに「○○駅前」と「○○駅」を冠する停留所が混在している場所も多々見られる。