なんでステッキ式!? ハイエースが頑なに採用するワケ

■現行モデルは原点回帰!! MT設定の影響大

現行モデルはMTが廃止となったためにキック式に変更するという判断もあったはずだが……
現行モデルはMTが廃止となったためにキック式に変更するという判断もあったはずだが……

 そこで5代目の現行型は、AT/MTレバーをミニバンと同様、インパネに装着した。さらにパーキングブレーキはステッキ式に戻して、運転席と助手席の間をスッキリと仕上げた。

 スーパーGLのような上級グレードでは、中央の座席の代わりにセンターコンソールボックスが装着される。

 そのために3人掛けに比べて、運転席から助手席への移動はしにくいが、インパネシフトとステッキ式パーキングブレーキによって不可能ではない。

 以上のようにハイエースのパーキングブレーキが旧態依然としたステッキ式になったのは、ドライバーが左側から乗り降りするために、突起物を減らしたいからだ。

 乗用車のようにAT専用車なら、足踏み式パーキングブレーキも採用できるが、5代目ハイエースが登場した時には5速MTも用意された。MTにはクラッチペダルが装着されるから、足踏み式パーキングブレーキは採用できなかった。

 しかし現在のハイエースなら、パーキングブレーキを足踏み式に変更できる。2017年のマイナーチェンジで5速MTが廃止され、6速AT専用になったからだ。従来通り前席の移動がしやすく、なおかつパーキングブレーキの操作性も馴染みやすくなる。

■MT廃止でキック式に変更可能も不満ナシ!?

 ユーザーの反応はどうなのか。ステッキ式の操作性に不満はないのか、販売店に尋ねると以下のように返答された。

「お客様から、ステッキ式パーキングブレーキが使いにくいという話は、ほとんど聞かれない。ハイエースは仕事で使うクルマだから、お客様が運転する時間も長い。最初は違和感があってもスグに慣れる」。

 ユーザーが不便を感じていないなら、パーキングブレーキをステッキ式から足踏み式に変更する必要はないだろう。

 変更には開発コストが掛かり、特にハイエースは、耐久性を高く見ておかなければならない。変更のために生じるリスクとコストを考えると、ユーザーから不満が生じていないなら変えないのが妥当だ。

■キャラバンに続くか!? ステッキ式は現行モデルがラストの可能性大

ライバルの現行キャラバンは当初からキック式を採用。女性ユーザーにとってはキック式がいいという意見も
ライバルの現行キャラバンは当初からキック式を採用。女性ユーザーにとってはキック式がいいという意見も

 一方、ライバル車のキャラバンは、現行型の発売当初、ATのパーキングブレーキは足踏み式でMTはステッキ式と使い分けていた。

 MTのレバーは、ATレバーと同じくインパネに装着されるから、パーキングブレーキをステッキ式にすれば横方向の移動もしやすい。ハイエースと同じ理由だ。

 MTのパーキングブレーキがステッキ式なのに、ATをわざわざ足踏み式に変えたことについて、開発者は以下のように説明した。

「パーキングブレーキを確実に作動させるには、手で引くステッキ式よりも、足で踏む方式が好ましい。特にATは、女性のお客様も運転するため、強い力を与えられる足踏み式を採用した」。なお今のキャラバンは、AT専用車になったから、もはやステッキ式は用意されない。

 ハイエースもATのみになったから、次期型のパーキングブレーキは、足踏み式か電動式になるだろう。パーキングブレーキも、いろいろな考え方や事情に基づいて開発されているわけだ。

 ハイエースもATのみになったから、次期型のパーキングブレーキは、足踏み式か電動式になるだろう。パーキングブレーキも、いろいろな考え方や事情に基づいて開発されているわけだ。

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