■新たな車種を作るマーケティング的な理由も
ボディが大きくなる原因には、マーケティング的な要素もあるようだ。たとえばA車というクルマがあり、それよりもほんの少し小さいサイズのクルマにニーズがあると分かったとしよう。普通はA車をちょっとサイズダウンすればいいのだが、それでは市場が拡大しない。
そこでマーケターは考える。A車をわずかに大きくして、新たにB車という小さいモデルを投入するのだ。冒頭でも触れたゴルフの下にポロやルポ、up!が生まれたり、メルセデスCクラスの下にA、Bクラスが生まれたりした例を思い出せばいいだろう。その結果、もとあったA車は、サイズが大きくなるのだ。
単純に「大きくして存在感を増そう」とした例もある。いささか古い話だが、1991年に登場したW140型メルセデス・ベンツSクラスがそれ。もともとSクラスは大きなクルマだが、W140型は標準ホイールベースでも全長が5.1mを超え、先代モデルから10cmも長くなった。
開発時期が好景気の時代だったことや、ライバルのBMW7シリーズが12気筒を積んで押し出し感を高めたという背景もあったが、さすがにW140型のサイズ拡大はあちこちから異論が相次ぎ、結局メルセデスは次のW220型でサイズを元に戻すこととなった。
クルマのサイズアップにはさまざまな理由があることがお分かりいただけただろうか。昨今は脱炭素や省エネといった流れを受けて、車体にも低ドラッグ&軽量化が求められる。ひょっとしたらサイズダウンに転ずる自動車メーカーも現れるかもしれない。
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コメント
コメントの使い方記事の通り大型化は安全のため。これに尽きます。二名をとりあえず移動させるだけなら小さくても可能で実際に私の旧車もそうですが
それは相手や歩行者の安全を最優先にしていないと重々承知してます。新しい安全な車が交通の大多数なため問題化してないだけ、ある種のタダ乗りでしょうね
ですから現行車も買って出来るだけ使うようにしてます。四名を安全・快適に移動させようと思ったら今のコンパクトカーサイズが最低限ですね