夢はスターレット復活!? 「笑顔になれるクルマ作り」を目指して!! 高橋GRカンパニープレジデント直撃インタビュー

■GRのモデルは毎年アップデートしていきます

GRヤリスは、WRCやスーパー耐久、ラリーチャレンジなどさまざまなレースやラリーに参戦している。実戦で鍛えながら、市販車にフィードバックするやり方で進化し続けていて、目に見えない改良も多数ある
GRヤリスは、WRCやスーパー耐久、ラリーチャレンジなどさまざまなレースやラリーに参戦している。実戦で鍛えながら、市販車にフィードバックするやり方で進化し続けていて、目に見えない改良も多数ある

西川/佐藤社長は“セリカ復活が夢”とおっしゃっていました。セリカ含め今後登場する新型GRモデルが気になるのですが……。

高橋/そこですか(笑)。セリカをやるかは別として、これまでのトヨタはフルモデルチェンジを7~8年、マイナーチェンジを約3年といったスパンで実施しています。

 しかし、GRとしてはレースやラリーに参戦して得た知見を市販車にフィードバックして、毎年クルマをアップデートしていきたいですし、マイナーチェンジでもフルモデルチェンジ並みの進化をさせるのもあるべき姿だと思います。

 GRモデルはモデルライフが長くなっても常に新鮮な印象となるような進化をさせていきます。そんな年を追うごとの進化を楽しみにしていてください。

西川/以前高橋プレジデントは「すべてのクルマ好きが笑顔になれるクルマを作りたい」とおっしゃっていましたが、高橋プレジデントが考える笑顔になれるクルマを教えてください。

高橋/ステアリングを切った時に思いどおりに動くクルマです。直線を速くするならば大きなエンジンやモーターを搭載すればいいですが、そうすると重くなります。重くて曲がらないクルマは楽しくありません。

 クルマは軽いに越したことはないので、軽いクルマづくりは重視しているポイントです。現在は衝突安全など軽くするのが難しい状況ですが、その状況でも軽いクルマを作るのが我々“クルマ屋”の腕の見せ所だと考えています。

 それはスポーツモデルに限った話ではありません。スポーツモデルが高速域で思いどおりのハンドリングを実現できるなら、街乗りの低速域でも思いどおりのハンドリングを落とし込んでいけると思うんです。

 GRスポーツの車両には、そんな低速域でも意のままに走れる味つけをしていきたいです。こうした取り組みがほかのトヨタ車にも発展していくのがGRの存在意義だと考えています。

■スターレットを復活させることが夢です

EP82やEP91スターレットを乗り継いでいたという高橋プレジデント
EP82やEP91スターレットを乗り継いでいたという高橋プレジデント

西川/以前スターレットを所有されていたと聞きましたが、軽いクルマへのこだわりはそんな原体験も影響していますか?

高橋/あると思います。(笑) EP82やEP91で地元北海道の雪道やミニサーキットを楽しんでいました。初代シビックタイプRが登場した時にホットハッチ乗りとして衝撃を受けたのですが、それを超えるクルマを作りたいと思ってトヨタに入ったんです。

 佐藤社長が“セリカ復活”と言うならば、GRプレジデントという立場は置いといて、私個人としては“スターレット復活”が夢ですね!

*   *   *

GRのさらなる飛躍を目指す高橋プレジデント。ご協力ありがとうございました!
GRのさらなる飛躍を目指す高橋プレジデント。ご協力ありがとうございました!

「笑顔になれるクルマづくり」を信条とする高橋プレジデント。歯切れのいい話っぷりからはGRカンパニーのプレジデントとして何をすべきかが、はっきりとしているという印象を受けた。クルマ談義では終始笑顔だった、そんなカーガイ高橋氏が引っ張っていくGRの今後に期待したい。

 僭越ながら20代の私からひとつお願いするとしたら、スターレットGT(830kgで135馬力、1989年の発売時は124万円)のような安くて速いクルマを作ってほしい。

●高橋智也(たかはし ともや)ガズー・レーシング・カンパニー・プレジデント

 1977年北海道札幌市生まれの45歳。若い頃からクルマ好きで大学生時代の1997年に登場したシビックタイプRに衝撃を受ける。大学生時代の愛車はEP82中期型→EP82後期型→EP91と中古のスターレットターボを乗り継ぐ。

 当時はインテグラ・タイプRやNSXなど、ホンダのスポーツモデルに勢いがあり、そのホンダを超えるクルマを作りたいと2002年トヨタに入社。

 ボデー設計部でオーリスを担当。2016年スポーツ車両統括部へ異動し、2021年GRプロジェクト推進部長、2022年GR車両開発部長、2023年3月よりGRカンパニー・プレジデントに就任。

 モリゾウさんが辞令を渡す時に「私が笑顔になれるクルマを作ってください」と激励されたという。モリゾウさんはクルマ好きの代表だから身が引き締まる思いがしたと教えてくれた。

 現在の愛車はGRヤリスとポルテ(主に奥さんが使用)。運転することが大好きで、サーキットへも自分で運転することが多い。好きな食べ物はお寿司で、出張先ではおいしいお寿司屋を探すのが楽しみ。

●聞き手/西川昇吾(にしかわ しょうご)

 1997年静岡県裾野市(ウーブンシティの近隣)生まれ。大学時代から自動車ライターを始める。現在は自動車ジャーナリスト目指しWebや紙媒体で修行中。今年の目標はレースに出ること。

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