近年、豪雨による災害が増えています。梅雨が終わっても、次は台風の季節がやってくるなど、大雨に対して注意が必要な時期が続きます。クルマで走行中に、うっかりしてクルマで冠水路に突っ込んでしまったり、大雨で道路のアスファルトが流されて、クルマごと河川などへ転落してしまったりなどでクルマが水没してしまうと、水圧によってドアが開かなくなり、乗員はクルマに閉じ込められてしまうことに。
こうなってしまうと、ヒンジドアはもちろんのこと、スライドドアも開きません。JAFの実験では、水深60cmになると、スライドドアも開けるのにかなりの力を必要とする、という結果が出ています。豪雨の際は、クルマでの移動はできるだけ避けたいところですが、やむを得ずクルマで走行中、クルマごと水没してしまったとき、命を守る方法をご紹介します。
文:吉川賢一
アイキャッチ写真:Adobe Stock_ Spica
写真:Adobe Stock、写真AC
シートベルトを外し、素早くサイドガラスを開ける
クルマが水中に入ってしまった場合でも、(状況や車種にもよりますが)クルマは、数分間は浮いていることができるので、その間に脱出するよう、落ち着いて行動することが大切です。
まずはシートベルトを外し、サイドガラスを開けてください。パワーウインドウでも、水没直後であれば開く可能性が高いですので、とにかくやってみてください。開けば、そこから脱出します。このとき、外を見るのではなく、車内側を向いて、背中側から外に出ると脱出しやすいです。もしお子さんが同乗している場合は、シートベルトを外した後、お子さんを抱えてから、サイドガラスを開け、先にお子さんを脱出させてください。
パワーウインドウが開かない場合は、サイドガラスもしくはリアガラスを、脱出用ハンマーなどで割って脱出します。このとき、窓の下辺に水面が達してしまっていると、割ったとたんに水とともにガラスの破片が車内に一気に流れ込んでくるので、注意と覚悟が必要です。
脱出用ハンマーは、ホームセンターなどで数千円から購入できますので、1台に1本、常備してほしいアイテムです。シートベルトカッターもついているものだと、シートベルトがロックされてしまった場合も安心。購入する際は、クルマメーカーの純正品や、JISマークや GSマークのついた、性能が十分に保証されている商品を選ぶようにしてください。
脱出用ハンマーは、運転席から手を伸ばしてとることができる場所に保管をしておくことも大切。脱出用ハンマーには、金づちタイプやピックタイプ、ポンチタイプがありますが、いずれもガラスを割る際は、ガラスと垂直になるようにハンマーを当てるようにすると、割れやすいです。
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