自動ブレーキは場合によっては機能しないことも!?
事故回避を目的とした運転支援システムのなかでも、その代表格といえるのが「衝突被害軽減ブレーキ」だ。
その名のとおり、カメラやレーダーがクルマの前方を監視し、前走車や歩行者、自転車などとの衝突の危険を感知すると、ドライバーへの警告を行うとともにクルマを自動で停止させる機能ではあるが、こちらも信用しすぎると痛い目にあう可能性がある。
システムの想定を大きく上回るスピードでの走行や、悪天候で視界が悪い場合、夕暮れの逆光などでカメラが前走車を認識できないときなど、シチュエーションによっては自動ブレーキが機能しないことがある。
加えて、システムが正常に機能している場合であっても、急な下り坂や、路面が雨で濡れていたり凍結しているなど、通常より制動距離が長くなるケースでクルマが止まり切れず、事故につながることもありうる。
国産の新型車には2021年から、2025年からは継続生産車にも装着が義務化され、現代のクルマではほぼ標準装備となる「衝突被害軽減ブレーキ」は衝突事故回避のためには心強い装備ではあるものの、これもまたドライバーを補助する機能にすぎない。
システムが機能していない場合でも事故を起こせばドライバーがその責任を問われることになるため、自動ブレーキが決して万能ではないということだけは理解しておきたい。
手放しやながら運転も可能に!? 究極の運転支援システムである自動運転
運転支援システムの延長上にある技術として今後さらに発展が期待されるのが、クルマの自動運転だろう。
その技術は米国自動車技術者協会(SAE)や国土交通省により、まったく自動化されていないレベル0から、すべての運転をクルマ側で行うレベル5の6段階に区分されている。
ここまでで紹介した「全車速追従付きクルーズコントロール」や「車線維持支援装置」、「衝突被害軽減ブレーキ」などは、運転の主体をドライバー側が担うレベル1もしくはレベル2に相当するといわれている。
このうちレベル2を実現している一部の車種では、対応する運転支援システムでの走行中にドライバーが常に前方の状況を認識し、すぐさまハンドル操作に戻れる状態であれば、ハンドルから手を放すことができるハンズオフでの運転が可能となっている。
また、特定の条件下でクルマ側が主体となりすべての運転操作を行うものの、システムでの運行が困難な場合はドライバーの運転の介入が必要とされるレベル3の運用が2020年に国内で可能となった。
それに続き、2023年4月からは一定の条件のもとではあるがドライバーの介入を必要としないレベル4の自動運転も公道での走行が解禁された。
これによりレベル3以上のシステムを搭載した自動運転のクルマでは、ハンズオフに加えて目線を前方に向けておく必要がないアイズオフも可能となり、走行中でもスマホやナビの操作、テレビやDVDの視聴といったいわゆる「ながら運転」もOKに。
ただし、上記は「自動走行中に一定の条件を満たさなくなった場合、運転者が直ちに適切に対処することができること」という条件付きだ。
さらに、自動運転中に事故・違反があったとしても、必ずしも運転者が免責されるとは限らない。
ということで、現行法では、たとえレベル3以上のシステムを搭載した自動運転のクルマに乗っていたとしても、率先して、ながら運転をしようと思う人は皆無だろう。
ちなみに飲酒や居眠りなどは、緊急時にドライバーの介入を必要されるレベル3ではもちろんNG。レベル4であっても現行法では認められない可能性が高いといわれている。
コメント
コメントの使い方これを悪用さ売る輩が出てくるよ。自動運転にして、スマホ操作に夢中に!!また高齢者は余計ボケ進むよ