■ディーラーオプションにハーフシートカバーが登場
新型アルファード/ヴェルファイアの販売店装着オプションを見て驚いた。なんと黒塗りのセダンでよく見る白いレースのハーフシートカバー(ラグジュアリータイプ)が、採用されているのである。
ハーフシートカバーのラグジュアリータイプを採用するのは、MIRAIやセンチュリー(プレステージタイプ)のようなセダンが中心だ。
SUVではクラウンクロスオーバーだけが採用し、ハリアーやランクル300といった高級車には、設定されていない。
ミニバンでは、グランエースが唯一ハーフシートカバーを採用しているものの、ラグジュアリータイプではなかった。
もちろん弟分のノア/ヴォクシーへの採用はなく、高級感を強く押し出した新型プリウスでも、ハーフシートカバーの採用はないのだ。
ディーラーオプションの内容は、ユーザーの声を大きく反映したものになる。先代までのアルヴェルに対して、一部ではレースのシートカバーを求める声があったからこそ、新型での採用が決まったのだろう。
単純にハーフシートカバー有無で、明確に高級車・ショーファーといった線引きができるわけではない。
しかしラグジュアリータイプのハーフシートカバーは、一部のショーファーカーになりうる車種にしか展開されていないオプションであることは、ゆるぎない事実である。
メーカーの開発意志はもちろんだが、ユーザーのニーズも、ショーファーカーとしてのアルファード/ヴェルファイアを誕生させるきっかけになっているようだ。
■今後のアルヴェルを支えるのは法人ユーザーか
6月21日の発売当日、全国のトヨタディーラーにはアルファード/ヴェルファイアを求め、ユーザーが殺到した。店頭での申し込みは個人と法人の割合が半々程度だが、法人ユーザーはKINTOへも流れているという。
法人向けサブスクリプションのKINTO ONEの申し込みページをのぞいてみると、アルファード/ヴェルファイアともにエグゼクティブラウンジだけが、「好評につき申し込み受付を停止しております」と記載されている。
ディーラーでは逆に、エグゼクティブラウンジの販売枠だけが余っているというところも少なくない。法人の多くがKINTOを使い、エグゼクティブラウンジを集中して注文しているのだ。
アルヴェルは、先代よりも価格が大幅に上がり、個人が簡単に買い替えられるクルマではなくなってきた。
先代ほどの爆発的な売れ行きも、長くは続かないだろう。初期受注が落ち着くと、アルヴェルの販売実績を下支えするのは法人需要となりそうだ。
新型アルヴェルは、先代と同様に個人が所有する高級ミニバンという側面を残している。しかし、いっぽうで先代には薄かったビジネスシーンでの見栄えに注力した。
今後は、個人はもちろんだが、法人に選んでもらえる販売へと、売り方が変わっていく可能性が高い。クラウンマジェスタやレクサスLSのような存在に、アルファード/ヴェルファイアもなっていくということだ。
ファミリー向けのノア/ヴォクシーとは明確に違うことを示した新型アルヴェル。先代までの高級ミニバンという存在が大きく変わり、今作では日本のショーファーカーを牽引する存在となるに違いない。
【画像ギャラリー】豪華けんらんな新型アルファード/ヴェルファイアの内外装をチェックする(35枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方