「比較的ラクに維持できるイタリアン中古車」と違い、今回紹介するカテゴリーからは若干の“覚悟”が必要になってくる。とはいえそのぶん快楽は強烈で、覚悟といっても大げさなものではない!?
※本稿は2023年5月のものです
文/伊達軍曹、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2023年6月10日号
■この快楽を体験するともう後戻りできない?
このあたりから、プレイはやや本格化してくる。筆者はここで紹介しているアルファロメオ・GTVというS嬢と“交際”している時期があったが、プレイの内容はそこそこハードだった。
販売店から「3000kmごとにエンジンオイルは必ず交換してくださいね」と言われていたが、「まぁ多少オーバーしたところで問題ねえべ?」とたかをくくっていると、4000kmくらいでエンジンから超絶不穏な音と振動が出てくる。
あわててエンジンオイル交換を行うが、今度はその際に、フロントブレーキのホース皮膜が裂けていたことが発覚する……みたいな感じである。
国産新車ばかりを乗り継いできた人からは「……そんなクルマに乗ってる奴も、作った奴も、バカなんじゃないか?」と思われるだろう。まぁ実際バカなのだが、それでもなぜ、そんなバカなクルマに乗り続けるというバカな真似をしていたのか?
答えは、バカの裏側にある“快楽”があまりにも圧倒的であったため、端的に言えば、快楽に溺れていたのだ。
「ブッソーネV6」という超古典的なV6エンジンをレッドゾーン近くまでぶん回し、そのセクシーな回転感覚と美声を堪能すれば、すべてのネガティブな記憶は秒で失われ、天上の世界へと誘われた。そして現代アートの化身のごとき内外装の造形美を眺めているだけでも、失禁するほどの歓びを覚えた。
ある種の性行為と同様に、その快感を知らないままでも特に問題はないのだが、知ってしまったからには……生身の人間としては、もう溺れるほかないのである。
■痛い目にあうほど深みにハマる魅惑の「イタ車世界」中級編
●アルファロメオ 156
1998年から2006年まで販売された4ドアセダン。2L直4でもいいが、できれば2.5Lまたは3.2L・V6で官能を味わいたい。整備の観点からは2003年以降の後期型がおすすめ。
・痛さ:★★★☆☆
・快楽:★★★★☆
・中古車注目相場:40万~280万円
●アルファロメオ ブレラ
GMと共用の車台およびシリンダーブロックを使っているため、アルファらしい熱さは正直希薄。だが“お尻”を中心とする独特のフォルムを眺めているだけでご飯3杯はイケるはず!
・痛さ:★★★☆☆
・快楽:★★★☆☆
・中古車注目相場:80万~250万円
●マセラティ グラントゥーリズモ
2007年から2019年まで販売された4シータースポーツ。高年式中古車ならソフトSMみたいなものだが、300万円台からの初期年式はややハードコア。だがその快楽成分は圧倒的。
・痛さ:★★★☆☆
・快楽:★★★★☆
・中古車注目相場:350万~480万円
●フィアット ムルティプラ
「世界一醜いクルマ」に選定されたこともあるMPV。しかしその醜さこそが逆に“味”で、実は走りも相当イイ。ただし2004年式以降の後期型はデザインがつまらないので、意地でも「醜い前期型」を探そう!
・痛さ:★★★★☆
・快楽:★★★★☆
・中古車注目相場:70万~170万円
コメント
コメントの使い方うっわ、ここのコメント全消しですか・・・。真っ当というか当然な感想たちだったし、貴重な実情意見でもあったのに全消し・・・
外車業界に弱みでも握られてるんじゃないかと疑ってしまいます