■フィットベース、希少な日本のコンパクト4ドアセダン
改めて5ナンバーサイズのよさを実感するのが2014年12月に発売され、2020年7月をもって生産を終了したホンダグレイスだ。
5ナンバーサイズのセダンでありながらアッパーミドルクラス並みの居住性を誇り、JC08燃費は34.4㎞/L(1.5Lハイブリッド)という低燃費さ。
グレイスは、アジア・オセアニア向けに販売されていた4代目シティの日本向けバージョン。最終型のボディサイズは、全長4450×全幅1695×全高1475mmと5ナンバーサイズに収まる。
プラットフォームは先代フィットと共通で空間効率が優れ、センタータンクレイアウトを採用するため、トランク容量も430Lと広大。
室内空間の広さも特筆すべきで、特に後席は後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ半と余裕があった。着座位置が高めで頭上は少し窮屈だったが、足元に余裕があるので、大人4名が乗車して長距離を快適に移動できる。
最小回転半径も5.1~5.3mに収まり、小回りの利きも良好だ。コンパクトなボディで運転しやすく、なおかつ居住性と積載性の高い優秀なセダンだったのに、販売終了はもったいない。
現在、グレイスの中古車相場は、大手中古車検索サイトでは2019~2020年式で走行距離が少なく程度のいいもので、180万~230万円。
新車価格は175~264万円だったから、新車価格より下がっているとはいえ、値落ちがあまり進んでいないことがわかる。
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いまや新車で買える5ナンバーサイズのセダンはカローラアクシオのみ。5ナンバーサイズのワゴンもカローラフィールダーのみだ(ホンダシャトルは2022年11月に販売終了)。実に寂しい限りである。
日本の道はそれほど大きく広がっていないのに、クルマは肥大化する一方。
50代以上のおじさんにとっては、5ナンバーサイズは使いやすい。かといってヤリスやフィットなどのコンパクトカーではちょっと……、後ろに乗せる時もあるし、フォーマルな冠婚葬祭の時には、地味セダンのほうが重宝するからじゃないだろうか。
実際、賃貸マンション探しの時にお客さんを後席に乗せて物件を回る際、コンパクトカーよりセダンのほうがいいと不動産業者が言っていたことを思い出した。
ぜひ一度、原点に回帰して5ナンバーサイズのクルマを作って欲しいものである。
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コメント
コメントの使い方レガシィとクラウンにしか世話になったことねーよ