エンジンオフから数分で地獄と化す、真夏の炎天下に止めたクルマの車内。エンジンをかけて、エアコンが効いてくるまでのほんの数分も耐えられないほどの灼熱は、猛暑が続くなかでは全力で避けたいもの。
この灼熱の車内を早く冷ます方法については、ドアを開け閉めする(ことで、風圧で熱気を追い出す)方法や、ボディに水をかける方法など、いくつかあるが、はたしてどの方法がもっとも早く車内を冷やすことができるのか!?? JAFの実験結果をご紹介しながら、真夏のカーエアコンの賢い使い方についてもご紹介しよう。
文:吉川賢一
アイキャッチ写真:Adobe Stock_ DimaBerlin
写真:Adobe Stock、写真AC、JAF
エアコン+走行がもっとも効果的
実験が行われたのは、2016年の6月上旬。埼玉県の駐車場において、同じクルマが5台用意され、車内温度55度から、5台それぞれ下記に示す方法で車内の温度を低下させ、経過時間ごとの温度変化を測定する、という方法で行われた。
1. エアコンは使用せず、助手席の窓を開けた状態で、運転席ドアを5回開閉
2. エアコンは使用せず、冷却スプレーをシートに10秒ほど吹きかける
3. 窓は開けずにカーエアコン(オート)をON。外気導入で、温度設定は最低
4. 窓は開けずにカーエアコン(オート)をON。内気循環で、温度設定は最低
5. 窓を全開にしてカーエアコン(オート)をON。温度設定は最低で、最初は外気導入で、2分後に窓を閉めて内気循環に
その結果、エアコンを使用しない方法では、ドア開閉(1)が47.5度まで低下したのに対し、冷却スプレー(2)では3分後も50.1度までしか低下せず、ドア開閉のほうが効果的であることがわかった。また、エアコンを使用した3つの手法では、内気循環(4)が10分後に27.5度に、外気導入(3)が10分後に29.5度に低下したが、走行させた手法(5)では5分後に28.0まで低下させることができた。
走行させることで、車内の熱気をすばやく追い出し、熱気を追い出したら内気循環にしてエアコンを効率的に効かせる、というのがもっとも効率的にクルマを冷やす方法のようだ。開ける窓は、熱気が逃げやすいよう、対角線(運転席と助手席側後席、助手席と運転席側後席)の窓を開けると、より効果的だろう。この方法は、短時間で温度を大きく低下させることができるので、燃費にもよい。エアコンは、取り込む空気の温度が低いほうが、より冷たい空気をつくりだすことができるからだ。
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