かつてスペアタイヤを車内でも背面でもなく、ボンネットに装着していた車種が相当数あった。今やスペアタイヤすら衰退しつつあるが、なぜこのタイプは姿を消したのか!? 結構カッコいいんだけどな~。
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部・Adobestock
■カスタマイズで未だ残るも新車採用は絶滅
近年ではスペアタイヤはスペース効率も重量的にも有利に働くパンク修理キットに置き換えられ、トランクスペースを占領することもなくなってきた。
しかし過去にもトランクスペースを圧迫することを嫌ったり、そもそもスペアタイヤを収納するスペースがなかったりする車種の場合、スペアタイヤをフロント部分に装着するという荒業に出ることもあったのだ。
例を挙げると1970年に登場したバモスホンダや1996年に登場したミゼットII。海外ではワーゲンバスの愛称でも知られるフォルクスワーゲン タイプ2のキャンピングカーなどがフロント部分にスペアタイヤを装着していた。
さすがに現行モデルでフロントにスペアタイヤを設置している車種は存在しない。
だがカスタマイズの手法のひとつとして、ハイエースやエブリイなどのアゲ系カスタムでフロント部分にスペアタイヤを装着するユーザーも存在しているようだ。
■衝突安全的に超不利!! 歩行者に致命傷与えるケースも
アクセントとしては非常にインパクトの大きな前置きスペアタイヤだが、純正採用がされなくなった大きな理由のひとつが衝突安全基準の問題と言われている。
というのも、1996年にデビューしたミゼットIIは当初、フロント部分にスペアタイヤを装着するファニーなルックスも話題のひとつとなっていた。
だが、1999年9月に実施されたマイナーチェンジのタイミングでフロントにあったスペアタイヤを荷台や荷室に移設しているのだ。
本来であればただでさえミニマムなミゼットIIの荷室スペースは圧迫したくないハズ、そもそもそのために前置きスペアタイヤを採用していたと思われる。
これは1998年10月に軽自動車規格が改定されたタイミングで衝突安全基準も強化されたことで、フロント部分にスペアタイヤを設置することが難しくなってしまったというワケなのだ。
コメント
コメントの使い方初代デリカもオプションでフロントにスベアタイヤつけてましたよ!自分もそーでした。