2023年7月現在、ストロングハイブリッド車を持たないスバル。トヨタの「THS」を採用した新世代e-BOXRE投入を計画し、電動車時代への対応を着々と進めている。スバルが見据える「カーボンニュートラル」へ向けたビジョンとは!?
※本稿は2023年7月のものです
文/ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部、SUBARU
初出:『ベストカー』2023年8月10日号
■スバルの未来像
スバルの「未来像」はどのようになっていくのか?
2021年5月、スバルは2025年に向けた新中期経営ビジョン「STEP 2.0」を発表。そのなかで、「電動化の時代においてもスバルらしさは失われない」としている。
カーボンニュートラル時代に向けて、電動化の流れは避けることはできない。
スバルは現在、水平対向4気筒エンジンに13.6ps/6.6kgmのモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドがあるが、いわゆるストロングハイブリッドは存在しない。
5月11日に明らかにされた最新の計画では、トヨタのハイブリッドシステム(THS)を採用した新世代e-BOXERを2025年に投入するという。
水平対向エンジン+シンメトリカルAWDを軸としたスバルならではのパワートレーンを維持しながら、ストロングハイブリッドを実現することでスバルの電動化に弾みをつける。
スバルでは、2030年にはBEVとHEVを合わせた「電動車」比率をグローバルで40%に引き上げる計画だが、THSを使った新しいハイブリッドが大きく寄与する。
■BEVや安全技術の進化にも積極的
一方でBEVにも積極的。現在はトヨタとの共同プロジェクトで誕生したソルテラのみだが、今から3年後、2026年末時点で3車加えたBEV4車種体制に拡大する計画。
生産面でも2026年には矢島工場で年間20万台レベルに引き上げることが明らかにされており、さらに2028年には大泉工場も加えて年間40万台のBEV生産体制とする。
スバルの魅力は優れた重量配分をベースとしたプラットフォームを活かした、洗練されたAWD制御にある。BEVでは前後輪の制御がより緻密にできることで、これまで培ったスバルのAWD制御技術がBEV時代にさらに生かされることになる。
同時に、安全技術の進化も大きな課題。
いち早く衝突軽減、回避支援技術に取り組んできたスバルだが、アイサイトの進化は著しい。実際、アイサイトの標準装備化が進んだことでスバル車の追突事故は大幅に削減された。
スバルでは「2030年に交通死亡事故ゼロ」を目標に掲げているが、AIの活用などで安全技術の進化に磨きをかける。このためにも車両ハードとしての基本的なダイナミック性能の高さが求められる。スバルのシンメトリカルAWDは、BEV時代にもさらに磨きをかけることになる。
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