■修理剤が有効なのはトレッド面の小穴のみ
修理剤は、もちろん万能ではない。
パンク修理剤は「タイヤが地面と接地するトレッド面に小さな穴が空いた場合のみ」に有効であり、側面(サイドウォール)が破けて穴が空いた場合には、修理することが出来ない。
タイヤのサイドウォールはトレッド面に比べて肉厚が薄く、仮に穴を塞いだとしてもダメージをカバーしきれず、走行中にタイヤがバーストする可能性が高いのだ。
また、接地面が大きく破けた傷の場合も修理は不可能。こういった場合はあきらめて、ロードサービスを呼ぶことをおすすめする。ちなみに、釘や破片が刺さっていても抜かずに、そのまま修理剤を使用することで、一時的には走行可能だ。
また、このパンク修理剤での応急処置の状態で、どのくらいの距離が走行可能かはタイヤの状況によって変わるが、走行速度には注意する必要がある。タイヤに傷が入っている状態であるため、再びパンクするリスクがあるからだ。あくまで応急処置であることを頭に入れて、早急にガソリンスタンドや最寄りのディーラー、修理工場などへ持っていくことが大切である。
■あくまで応急処置なのですぐ修理工場へ
自動車メーカーでは、一輪をパンクさせた状態で一定の距離を走行が続けられるか、という極限の実験も行っている。国によっては、たとえパンクをしても「クルマを停めて降りてはいけない」とされる危険な場所もある。特に高級車であるほど強盗に狙われやすいので、何が何でもディーラーや修理工場へたどり着く必要があるのだ。海外で、ランフラットタイヤの需要が高いのは、こうした背景もある。
パンク直後は動揺していたり、不安になっていたりで判断を間違えることもある。このような時こそ、平常心を保ち、落ち着いて、ひとつひとつの修理作業を正しく行うことが大切である。
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