■小さな高級車に挑んだ日本車の足跡
日本にも昭和の時代から小さな高級車が存在した。日産にはスカイラインやマークIIより大人の雰囲気を強く打ち出したローレルがある。
その高級ムードをコンパクトサイズのファミリーカーに落とし込んだのが、弟分のローレルスピリットだ。5代目サニーの兄弟車だが、フロントマスクをローレルに似せ、インテリアはひとクラス上の快適装備を標準としている。
また、平成の時代になると、トヨタが小さな高級車のプログレを市場に放った。全長を短く抑えながら、ひとクラス上の上質な6気筒エンジンを積み、快適装備も満載する。コンパクトカーでは、プレミアムコンパクトを狙ったマツダのベリーサが有名だ。
最近では日産ノートの上級モデルとして投入されたノートオーラが小さな高級車と言えるだろう。これは先代のノートに加えられて注目を集めたメダリストの後継モデルだ。快適装備を加え、走りの質感も高い。ノートより60万円ほど高いが、売れている。
■セダンで目指した小さな高級車
・ホンダ コンチェルト(1988年)……挑戦の結果:失敗
ローバーとの共同開発で誕生したモデル。ちょっと古風だけど格調あるスタイルに本革シートを装着し、英国風かつ高級な雰囲気を持っていた。
・トヨタ ブレビス(2001年)……挑戦の結果:まあまあ
「小さな高級車」プログレの兄弟車。後発モデルの優位を生かしてペダルの可動機能などを装備。セルシオを思わせる外装も多くの人の心を鷲掴みにした。
・トヨタ SAI(2009年)……挑戦の結果:成功
レクサス HS250hのトヨタ仕様で、高級感を持ちながら、内外装はHSともひと味違う、親しみやすさにあふれたデザインで人気となった。
・日産 ブルーバードシルフィ(2000年)……挑戦の結果:まあまあ
サニーとプリメーラの間のポジションに位置するモデル。クルマとしてのクォリティはさすがだったが、「あとひとつ!」というわかりやすい魅力が欲しかった。
■コンパクトカーでも高級車化に挑戦!
・日産 ティーダ(2004年)……挑戦の結果:成功
サニーの後継にあたる、5ナンバーサイズのCセグカー。当時の日産車らしいワンクラス上のインテリアで構成され、乗り心地も素晴らしく大ヒットを記録。
・マツダ ベリーサ(2004年)……挑戦の結果:まあまあ
2代目デミオの兄弟車。楽曲録音用HDDや本革シートといった装備だけでなく、遮音材増加など静粛性にも配慮された、これぞ「小さな高級車」のお手本だ。
・トヨタ ブレイド(2006年)……挑戦の結果:失敗
オーリスの上級車で、プログレ&ブレビスの後釜として登場した。クラス以上の高級感を備え、さらに3.5L・V6搭載モデルがあったが、そんなに速くもなかった。
・日産 ノートメダリスト(2012年)……挑戦の結果:まあまあ
ノートとティーダが統合されてから登場した2代目ノートの上級グレード。だが内外装と装備だけ高級品に置き換えただけでは……? いうのが率直な印象だ。
・アストンマーティン シグネット(2011年)……挑戦の結果:まあまあ
トヨタ×アストンマーティンという異色のコラボで生まれた、これぞガチの「小さな高級車」。完成したiQの内外装を分解し専用高級パーツを施工したモデルだ。
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