パッとしないクルマ多かったけど……ノートオーラは大成功中!! ニッポンの「小さな高級車」挑戦の歴史

■小さな高級車に挑んだ日本車の足跡

ローレルスピリットは5代目サニーの兄弟車で、フロントマスクを豪華ムードにして小さな高級車化。それなりにヒットしたので2代目も登場
ローレルスピリットは5代目サニーの兄弟車で、フロントマスクを豪華ムードにして小さな高級車化。それなりにヒットしたので2代目も登場

 日本にも昭和の時代から小さな高級車が存在した。日産にはスカイラインやマークIIより大人の雰囲気を強く打ち出したローレルがある。

 その高級ムードをコンパクトサイズのファミリーカーに落とし込んだのが、弟分のローレルスピリットだ。5代目サニーの兄弟車だが、フロントマスクをローレルに似せ、インテリアはひとクラス上の快適装備を標準としている。

プログレはミディアムクラスの上質なセダンとして登場。小型車サイズのボディに直列6気筒DOHCを積み、インテリアも豪華だが、販売は伸び悩んだ
プログレはミディアムクラスの上質なセダンとして登場。小型車サイズのボディに直列6気筒DOHCを積み、インテリアも豪華だが、販売は伸び悩んだ

 また、平成の時代になると、トヨタが小さな高級車のプログレを市場に放った。全長を短く抑えながら、ひとクラス上の上質な6気筒エンジンを積み、快適装備も満載する。コンパクトカーでは、プレミアムコンパクトを狙ったマツダのベリーサが有名だ。

ノートオーラはノートをベースに、LEDヘッドランプなどでフロントマスクとリアビューを変えるとともに全幅も拡大。リアバンパーはボディ同色として高級感を演出
ノートオーラはノートをベースに、LEDヘッドランプなどでフロントマスクとリアビューを変えるとともに全幅も拡大。リアバンパーはボディ同色として高級感を演出

 最近では日産ノートの上級モデルとして投入されたノートオーラが小さな高級車と言えるだろう。これは先代のノートに加えられて注目を集めたメダリストの後継モデルだ。快適装備を加え、走りの質感も高い。ノートより60万円ほど高いが、売れている。

■セダンで目指した小さな高級車

・ホンダ コンチェルト(1988年)……挑戦の結果:失敗

ホンダ コンチェルト。日本ではイマイチ盛り上がりに欠けた……
ホンダ コンチェルト。日本ではイマイチ盛り上がりに欠けた……

 ローバーとの共同開発で誕生したモデル。ちょっと古風だけど格調あるスタイルに本革シートを装着し、英国風かつ高級な雰囲気を持っていた。

・トヨタ ブレビス(2001年)……挑戦の結果:まあまあ

トヨタ ブレビス。兄弟車とはいえ生まれてくるのが少し遅かった……
トヨタ ブレビス。兄弟車とはいえ生まれてくるのが少し遅かった……

 「小さな高級車」プログレの兄弟車。後発モデルの優位を生かしてペダルの可動機能などを装備。セルシオを思わせる外装も多くの人の心を鷲掴みにした。

・トヨタ SAI(2009年)……挑戦の結果:成功

トヨタ SAI。維持費も安く余裕ある車室で広く親しまれた
トヨタ SAI。維持費も安く余裕ある車室で広く親しまれた

 レクサス HS250hのトヨタ仕様で、高級感を持ちながら、内外装はHSともひと味違う、親しみやすさにあふれたデザインで人気となった。

・日産 ブルーバードシルフィ(2000年)……挑戦の結果:まあまあ

日産 ブルーバードシルフィ。見た目がもう少し豪華だったらさらに売れていたかも?
日産 ブルーバードシルフィ。見た目がもう少し豪華だったらさらに売れていたかも?

 サニーとプリメーラの間のポジションに位置するモデル。クルマとしてのクォリティはさすがだったが、「あとひとつ!」というわかりやすい魅力が欲しかった。

■コンパクトカーでも高級車化に挑戦!

・日産 ティーダ(2004年)……挑戦の結果:成功

日産 ティーダ。日産の「小さな高級車」作りは昔から上手だった
日産 ティーダ。日産の「小さな高級車」作りは昔から上手だった

 サニーの後継にあたる、5ナンバーサイズのCセグカー。当時の日産車らしいワンクラス上のインテリアで構成され、乗り心地も素晴らしく大ヒットを記録。

・マツダ ベリーサ(2004年)……挑戦の結果:まあまあ

マツダ ベリーサ。販売台数は伸び悩んだが出来は最高だった
マツダ ベリーサ。販売台数は伸び悩んだが出来は最高だった

 2代目デミオの兄弟車。楽曲録音用HDDや本革シートといった装備だけでなく、遮音材増加など静粛性にも配慮された、これぞ「小さな高級車」のお手本だ。

・トヨタ ブレイド(2006年)……挑戦の結果:失敗

トヨタ ブレイド。V6搭載など野心的な一台だっただけに惜しい!
トヨタ ブレイド。V6搭載など野心的な一台だっただけに惜しい!

 オーリスの上級車で、プログレ&ブレビスの後釜として登場した。クラス以上の高級感を備え、さらに3.5L・V6搭載モデルがあったが、そんなに速くもなかった。

・日産 ノートメダリスト(2012年)……挑戦の結果:まあまあ

日産 ノートメダリスト。上質さのみを追い求めた、わかりやすい一台
日産 ノートメダリスト。上質さのみを追い求めた、わかりやすい一台

 ノートとティーダが統合されてから登場した2代目ノートの上級グレード。だが内外装と装備だけ高級品に置き換えただけでは……? いうのが率直な印象だ。

・アストンマーティン シグネット(2011年)……挑戦の結果:まあまあ

アストンマーティン シグネット。マニアックだが歴史に名を残した一台
アストンマーティン シグネット。マニアックだが歴史に名を残した一台

 トヨタ×アストンマーティンという異色のコラボで生まれた、これぞガチの「小さな高級車」。完成したiQの内外装を分解し専用高級パーツを施工したモデルだ。

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