2019年4月、ダンロップのミニバン専用タイヤのニューモデル「エナセーブRV505」が発表された。6月1日より全国で発売となる。
最近よく「ミニバン専用タイヤ」って目にするけど、要するにどういうタイヤ? と思う読者諸兄もいらっしゃると思うので簡単に説明すると、「3名以上の多人数乗車するケースが多く、車体の側面積が大きい」という特徴から、ミニバンのタイヤは偏摩耗することが多い(ダンロップの調査だと交換されているタイヤの47%が偏摩耗しているとのこと)。
そこで耐偏摩耗性を向上し、(重くて横風の影響を受けやすいため起こる)「ふらつき」を抑える技術を盛り込んでいるのが特徴といえる。
そんな新ミニバンタイヤに、編集部が一足先に試乗してチェックしました。アルファードやセレナといった大ヒットミニバンだけでなく、スペーシアなどのスーパーハイト軽やVWトゥーラン、ルノーカングーなどの輸入車まで幅広くターゲットにしたタイヤで、乗って走り出すとすぐに「あ、これはいい!」と気が付くレベルでした!
文:ベストカー編集部 写真:ダンロップ、ベストカー編集部
■「エナセーブRV505」ってどんなタイヤ?
これまでダンロップのミニバン専用タイヤとしては「エナセーブRV504」があったが、よりミニバンの特性にマッチさせた新商品として開発されたのが、この「エナセーブRV505」だ。
重心が高く、側面面積が大きいミニバンは、通常の走行時でもそうだが、特に横風を受けた際のふらつきが大きくなりがち。また、乗車定員が7〜8名にもなれば車重も重くなり、ますます不安定な挙動に陥りやすくなる。
ダンロップがこのRV505に新たに盛り込んだ「FUNBARI(ふんばり)TECHNOLOGY」は、踏ん張りの効くタイヤとすることで、ミニバン特有のふらつき現象を抑制するのが狙いだ。
キーとなるのが「踏ん張り」を強くする、アウト側トレッド面を大型ブロック化した非対称パターン。さらに新開発された「プラスリブ」と呼ばれる、センターブロックのアウト側に付加された小さな突起状のリブ。
コーナリングやレーンチェンジなどでトレッド面に横方向の力がかかった際、ブロックが倒れ込むことでこの小さな突起状のリブが接地し、接地面積を確保する。
またサイドウォールの構造を見直すことで耐荷重性能を高めるとともに、新プロファイルによりサイドウォールのたわみ方を適正化。これらにより、より大きな荷重をしっかりと受け止めることができ、ふらつきを抑制するとともに、接地面の適正化により偏摩耗も低減。先代型にあたる「RV504」に対し、耐偏摩耗性能は53%も向上しているという。
■実際に乗ってどうだった?
走り出すとソフトタッチの乗り心地に驚かされる。実は「ル・マンV」で初採用された「SHINOBI(しのび)TECHNOLOGY」がRV505にも活かされており、接地面形状の前後方向をラウンドさせて中央から接地させることでスーッとソフトにタイヤが接地。これがソフトな乗り心地に効いてくる。サイドウォールが強化されている一方、スムーズにたわむような形状になっていることもあり、これも乗り心地に効いているのだろう。
また静かなタイヤという印象も強い。パターンデザインなどによりパターンノイズは34%、ロードノイズは31%低減しているという。
テストコースでRV504との比較試乗をすると、特にレーンチェンジ時の後輪の追従性が優れており、リアの動きがスッとスムーズで遅れるようなことがないため安定感が増している。120㎞/hでのレーンチェンジや、緊急回避を想定したクイックな操舵切り返しをしても高い安定性を維持するため、ロングドライブでの安心感はもちろんのこと、疲労低減も大きいだろう。
タイヤはクルマにとって、非常に重要な安全装備であり、快適装備でもある。
新車購入時に履いているタイヤ(OEMタイヤ)だと、どうしてもコスト面でかなり攻めた選択になっているケースもあるが、その点「リプレイス」用タイヤはそうしたコストの制約から一部解き放たれて、ユーザーの要望に近い性能を持っている。
安全や快適性にこだわりたいなら、まずは慎重なタイヤ選びをお薦めしたい。
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