「……あれから8年…日本で見ぬ間に、あなた様は海外でこんな勇ましいお姿になられたのですね……」。
そう語りかけたくなるような、地響きまで伝わるような迫力。
2019年3月26日、三菱自動車がバンコク国際モーターショーにて初披露したコンセプトカー「トライトン・アブソリュート」。
その威容と走りは衝撃的だ。
※本稿は2019年4月のものです
文:ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年5月10日号
■約150カ国での販売を視野に。三菱の世界戦略ピックアップトラック
まずはベース車であるトライトンの説明から始めよう。
日本では2011年にその販売を終了してしまった三菱ピックアップトラック「トライトン」。しかしながら海外での販売は継続中で、昨年11月には5代目が誕生、タイでの販売開始(製造工場もタイ)がアナウンスされていた。
この先、アセアン諸国、オセアニア、中東、欧州、アフリカ、中南米など約150カ国に順次展開するという、三菱にとって超重要な「世界戦略車」。
その5代目モデルの「顔」は現行デリカD:5と同路線のダイナミックシールドの進化型で、なかなかの攻め具合。
三菱が40年以上培ってきたピックアップトラックの耐久性、信頼性に磨きをかけ、4WD性能では世界的人気のパジェロのノウハウが詰め込まれる渾身の1台だ。
さらに、先進の予防安全・運転支援技術も採用。
歩行者検知ありの自動ブレーキや誤発進抑制機能など、日本のアウトランダーPHEVと同等のシステムを採用。商品力も確実に高い。
タイでは52万4000バーツ(日本円換算で約183万円)から、という価格。安い!
■コンセプトカーなのにこの逞しい走り。市販は近い!? 日本での販売は?
さて、このトライトンをベースに今回お披露目されたコンセプトカーが「トライトン・アブソリュート」だ。
ベースの5代目トライトンのタフさや力強さをアピールするために企画されたもので、サイドボディパネルにプロテクター、前後バンパーにアンダーガードを装着。ルーフに装着されたLED補助ランプも格好よさを演出。
さらに、サスペンションも変更され、オフロードでのクリアランス確保のために車高は50mm引き上げられ、トレッドも拡大。迫力が増した感じがするわけだ。
披露の後の海外メディアや地元タイの人の反応が気になるところだが、それについては「とてもポジティブな意見をいただきました」とは、三菱・広報部の方のお話。
「“アメイジング!”、“素晴らしい堅牢なデザインだ”という反応が目立ちますね」。
それを受け、「市販化も近いのでは? すでにバリバリ走っていますし」と聞いてみたところ、「タイやそのほかの国の市場から強い要望があれば、将来的な商品計画に反映していきたいです」と前向き。
その勢いで「では、日本への導入もありそう?」に対しては、「残念ながらその導入計画はありません」。
……それでも首を長ーくして日本へやって来る日を待ちたい!
三菱5代目トライトン
全長:5300mm
全幅:1875mm
全高:1795mm
ホイールベース:3000mm
車両重量:1940kg
エンジン:2.4Lディーゼルターボ
最高出力:181ps/3500rpm
最大トルク:43.8kgm/2500rpm
トランスミッション:6MT/6AT
乗員:5名
※上記スペックはベース車の5代目トライトン(ディーゼルモデル)のもの
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