ゴルフ超えのP10プリメーラ! R32GT-Rも!! 日産901運動で生まれた名車が今見ても感涙モノだった

■「ゴルフのハンドリングを超えた」と評されたP10型プリメーラ

P10型プリメーラ(1990年~1995年/全長4400×全幅1695×全高1385 mm)
P10型プリメーラ(1990年~1995年/全長4400×全幅1695×全高1385 mm)

国内向けだったR32スカイラインGT-Rに対し、901活動において、主に欧州市場投入を目的に開発されたのが「P10型プリメーラ」だ。

フロントマルチリンクサスペンションが採用され、ボディサイズ、スタイリング、動性能、実用性、パッケージングなど、欧州車を強く意識して開発されたプリメーラは、当時「(乗り心地を度外視すれば)欧州車のハンドリングを超えた」とまで評価された。

このP10プリメーラは、欧州市場で好調な販売台数を持続、日本市場でも販売は好調な結果となり、「技術の日産」のイメージを定着させることにも成功した、まさに901活動を象徴するモデルだ。

■「ワイド&ローの新コンセプトをつくったZ32型フェアレディZ

Z32型フェアレディZ(1989年~2000年/全長4310×全幅1790×全高1245 mm)
Z32型フェアレディZ(1989年~2000年/全長4310×全幅1790×全高1245 mm)

 そして、北米市場向けのスポーツカー「Z32型フェアレディZ」も、901活動で進化したモデルだ。

 Z32では、歴代モデルの特徴であったロングノーズ・ショートデッキを改め、「ワイド&ロー」といった新しいデザインコンセプトを採用した。

 そして3.0L V6ツインターボのVG30DETT(280PS)と電子制御式4ホイールステア(4WS)のスーパーHICAS(ハイキャス)も搭載された。

 豪華にしたぶん、車両価格は上昇したが、Z32はポルシェに対抗できるジャパニーズスポーツカー(しかもはるかに安い)として、従来からの根強いZ Car(米国での呼び方「ヅィーカー」)ファンに支持され、大いにヒットをした。

■901活動は日産エンジニアたちを成長させた一方で…

901運動で誕生したY31セドリック(1987年~1991年/全長4690×全幅1695×全高1400mm)
901運動で誕生したY31セドリック(1987年~1991年/全長4690×全幅1695×全高1400mm)

 901活動では、いい商品をつくり、ジャーナリストや日産外のプロドライバーにも認めてもらうことのほか、特許や論文を多く残すなど、開発エンジニアたちが技術の面で自信を取り戻せるような土壌づくりも行われたそう。

 これらは筆者が日産に開発エンジニアとして入社する10年以上も前の話だが、当時の現場を知る諸先輩方のエネルギッシュさは、901を通して得た自信からくるものだったのだろう。

 901運動で一定の成功を経験した日産だが、90年代後半には売り上げが落ちこみ、再び倒産の危機まで迫ってしまった。

 R32以降も、スポーティかつ贅沢なクルマを(採算度外視で)つくり続けるなど、「技術の日産」に日産自身が酔っていたのだろう。この点は901による負の遺産だったのかもしれない。

 もうこの901活動のような集中的な活動はできないかもしれないが(当時は残業続きで、毎日午前様だったそうだ)、901で日産が成し遂げた成果は、今後も語り継がれていくことだろう。

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