中身はもちろん、見た目上でも違いのある、ガソリン車とバッテリーEV(BEV)。マフラーもそのひとつだ。ただ昨今は、ガソリン車(ハイブリッド車含む)であっても、マフラーエンドを見えないように隠しているものがある。
文:吉川賢一
写真:NISSAN、BMW、Mercedes-BENZ、Audi
メーカーによって、マフラーエンドの方針はバラバラ
少し前までの(ガソリンエンジンを搭載する)クルマでは、リアバンパーにマフラーエンドを出すための切り欠きを入れて、ささやかながらでもマフラーエンドを出すのが当たり前であった。だがここ10年程で、同一メーカー内でも、クラスや車種によってマフラーエンドの見せ方が徐々に違ってきている。
たとえばトヨタの場合、コンパクトカーやミニバンは、マフラーエンドを隠すように、先端を短めかつ下向きにして、存在感を消すデザインを採用する一方で、RAV4やハリアーなどのミドルクラスSUVでは、マフラーエンドを左右出しで見せている。ただ、新型クラウンシリーズや新型センチュリーなどの上級クラスとなると、マフラーエンドは確認ができない。またレクサスはSUVのUXからLX、セダンのIS、ES、LS、ミニバンのLMまで、原則としてマフラーエンドを見せていないが、スポーティなLCやRC、RC-Fなどのスポーツモデルでは、堂々と見せている。
日産では、e-POWERシリーズであるノートやキックス、エクストレイルなどは、リア正面から見てもマフラーエンドが目視できない。ただし、スカイラインやフェアレディZ、GT-RといったV6クラスのスポーツモデルでは、左右出しのマフラーエンドが堂々とあるので、モデルのイメージによって変えているようだ。
ホンダは、ZR-Vとシビック(R含む)のみマフラーエンドを見せるデザインを採用しているが、それ以外の軽自動車、コンパクトカー、ミニバン系は見せていない。新型アコードもリアバンパーにマフラーエンドが見えない。またスバルは、インプレッサ、クロストレックを除いて、マツダは全車マフラーエンドが見えるデザインとなっている。
総じて、純ガソリン車だから見せる、ハイブリッド車だから見せない、といった分け方ではないのが、ここ数年の国産メーカーのトレンドのようす。ただ、輸入車になると、コンパクトカーであっても、マフラーエンドを主張している車種が非常に多くなる。たとえば、プジョーやシトロエン、ルノー、フォルクスワーゲン、アウディ、メルセデスベンツ(VクラスとGクラスは除く)など、一部を除けば、ほぼマフラーエンドを目立たせるデザインだ。なかにはメルセデスのように、ダミーのマフラーエンドカバーを付けているメーカーもある(本当のマフラーエンドは車体下側へ出している)。
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