■立ち位置が謎だった!? ハリアーの後継になり得ず
地味だったヴァンガードを思い出し、今になると妙に気になるのがそのポジションである。
前述したように扱いディーラーがカローラ店とトヨペット店だったため、カローラ店では2000年登場のクルーガー(北米では以前からよく売れているハイランダー)の後継車というのは分からなくはない。
しかし、それにしてはヴァンガードは3列シートもあるけど、全長4570mmと初代クルーガーの約4700mmに対し短く、後継車というのは微妙にも感じる。
一方トヨペット店では2代目ハリアーの後継車という面もあったようだが、2代目ハリアーは2003年登場なので当時それほど古くなかった。
さらに初代モデルから一貫してゴージャスなハリアーに対し、クルーガーほどではないにせよどちらかというと質実剛健なキャラクターを持つヴァンガードがハリアーの後継車というのも納得しにくい。
そのあたりを総合すると、ヴァンガードは案外軽いノリで日本に投入されたモデルだった気もしてくる。それでもヴァンガードがそれなりに売れたのは事実である。
ゴージャスという強いポリシーを持つハリアーは2代目モデルを最後にレクサスRXに移行する予定であった。
だが根強く売れ、最終的にはヴァンガードを絶版に追い込む形でここ10年ほど輝き続けているのを見ると、ヴァンガードが絶版となったのはやむを得なかったと言わざるを得ない。
ただ、ヴァンガードがあったことは見方によってはトヨタの余裕や昔はクルマの開発資源が少なくて済んだという象徴ともいえるのかもしれない。
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