2代目をもって終売となったハリアー。後に復活するのだが、後釜的に投入されたのがヴァンガードであった。とはいえ高級なんだか……これといった特徴もなかった気も。あのヴァンガードって一体なんだったの!?
文:永田恵一/写真:ベストカーWeb編集部
■今でこそトヨタSUVは手厚いも15年前はミドルSUV手薄
現在のトヨタのラインナップにおいてSUVは、ライズからランドクルーザー300まで10台が揃い、抜け目がない。
それが15年ほど前も相当数存在した。
ラッシュにRAV4、さらにはヴァンガード。そして未だ人気のハリアー、ハイラックスサーフ、FJクルーザー、ランドクルーザープラド、ランドクルーザー200などなど。
モデル数こそ今とそれほど変わらないが、ミドルクラスが手薄だった傾向を感じる。
そのなかで現役時代から妙に存在感が薄かったのがヴァンガードで、ここでは1代限りで終わってしまったヴァンガードを振り返ってみた。
■大きな特色なし!? エクストレイルなどライバルが当時強すぎた……
2007年8月に登場したヴァンガードの成り立ちは、当時3代目モデルだったRAV4の海外向けにあった3列シートも設定するロングボディの日本仕様である。
そのため当時のミドルクラス以上のFF車に多く使われていた新MCプラットホームを採用。
パワートレーンは2.4リッター直4+CVTと3.5リッターV6+5速ATと、特に目新しいところはなかったというのが率直なところだ。
2006~07年に出たトヨタ車はヴァンガードと同じMCプラットホームを使うモデルがかなりあった。
3代目エスティマ、初代オーリス&ブレイド、マークXジオ、カローラルミオンなどで、乗ってみても絶大なインパクトを感じるものもあまりなかった。
ヴァンガードも3.5リッターV6の速さとレブリミッターの作動がカッコよかった点以外、「普通によくまとまったミドルSUV」という印象しか筆者にはない。
当時のライバルは、/アウトドア向きの雰囲気と日本初のクリーンディーゼルという今でも流行りそうな2代目エクストレイル。
3代目CR-Vに初代アウトランダー。そして3代目フォレスターも存在し、ヴァンガードが目立たないのも当然だった。
それでもヴァンガードの販売はカローラ店とトヨペット店扱いだったことあったのか、登場時月2500台の販売目標台数に対し、約6年間で約12万6000台(月平均約1800台)とまずまずで、この点にはトヨタが持つ販売力の底力を感じる。
しかし、ヴァンガードは2013年に3代目ハリアーを実質的な後継車に絶版となり、一代限りで姿を消した。
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