スズキのインドでの生産販売子会社「マルチスズキ」は、2023年10月11日、インド生産のジムニー5ドアの輸出を開始したと発表。輸出先は、ラテンアメリカや中東、アフリカ地域とされており、日本は含まれていない。
インド生産のジムニー5ドアは、日本でいうジムニーシエラのサイズだ。今後は日本でもジムニーシエラの5ドア版として導入されることを待ち望んでいるファンは多いかと思うが、今後を考えると、ジムニーシエラには、5ドア化のほかにも、改良を期待したいポイントがある。
文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:SUZUKI
5ドア化によって、軽のジムニーよりも人気になる!??
2023年1月に世界初公開となった5ドアジムニー。発表となるやいなや、日本のジムニーファンは「いよいよか!!」と大いに盛り上がった。そこから9か月経過し、今回5ドアジムニーが輸出されるという発表があったわけだが、残念ながら日本への導入は、もう少し先になるようだ。
日本では、「ジムニー」というと、軽自動車の「ジムニー」のほうがメジャーだが、登録車である「ジムニーシエラ」のほうがクルマとしての性能に優れており、特に、高速道路でのパワーやワイドトレッドゆえの安定性は捨てがたいもの。また、デザイン全体のバランスもよく、メルセデスの「Gクラスのちっちゃい版」のような雰囲気もあり、グローバルでも非常に魅力的なマイクロクロカンSUVとして人気がある。
5ドアジムニーは、全長がプラス435mm、ホイールベースはプラス340mmのサイズアップがなされているおかげで、後席エリアは格段に改善されており、実用性という面では3ドアの比ではない。ライズ/ロッキーの全長(3995mm)と近しいサイズ感であり、日本の道路事情にもぴったりな本格クロカンモデルになりそうな予感だ。
ただ、実燃費の向上は必須!!
現行型ジムニーシエラには1.5L 直4DOHCエンジンが搭載されている。先代までの1.3Lから排気量をアップし、トルクと扱いやすさを向上させた新設計のエンジンだ。NAらしい伸びやかな加速と、MTで上まで回すと気持ちの良い素直なフィーリングが楽しめる。
しかしながら、実燃費があまりよくないようだ。カタログのWLTCモード燃費は、ATで14.3km/L、MTで15.4km/Lとなっているが、実燃費データを収集するサイトによると、ATで12.0km/L、MTで13.6km/L。ラダーフレームの本格クロカンであるため、設計上重くなってしまうのを差し引いても、やはり最新のモデルとしては心許ない数値。昨今の燃料費高騰を考えると、日常使いでの実燃費はもう少しよくしてほしいところであり、まして5ドアとなれば、さらに重量が増えるだろうから、余計気になる。マイルドハイブリッドやダウンサイジングターボなどすでに持っている技術を使うなどして、コストを抑えつつ実燃費の向上を期待したい。
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