■V37スカイラインNISMOは「スカG」なのか?
1000台の限定で2023年8月8日に発表された「スカイラインNISMO」。価格はベースとなる400Rに対し約200万円プラスの788万0400円。エンジンやシャシーには専用チューンが施され、パフォーマンスを大きく引き上げている。
そのスカイラインNISMOのフロントフェンダーサイドには、歴代スカイラインの伝統ともいえる「GTバッヂ」を装着。果たしてスカイラインNISOMOは現代の「スカG」と呼ぶにふさわしいクルマなのか?
■「スポーツセダンとしてよく仕上がっています」(渡辺氏)
スポーツセダンとしてよく仕上がっています。刺激的かというと、それほどでもないのですが、充分に速いし、操縦性にも優れます。シャシーのバランスがいいため、GTと呼ぶにふさわしい、運転して楽しいスポーティな4ドアセダン。つまり、スカイラインが本来目指していたコンセプトそのものなのです。
なんというか、「人肌感」があるんです。作り手の顔が見えるというか、開発陣がワイワイ言い合いながらああしよう、こうしようと手を入れていった様子が見えてくるのです。「日産のクルマってこんな乗り味だったよなぁ」という、味わいを感じます。
人それぞれ、いろんな意見はあるでしょうが、私は現代の「スカG」だと思います。(談)
(TEXT/渡辺敏史)
■「しっかり走るスカイラインに仕上げてるけど……3ペダルMTが欲しいなあ」(橋本氏)
V37スカイラインNISMO、「しっかりスカGしているなぁ」というのが第一印象。
ボク自身、スカイラインには馴染みがあって、実家にはスカイラインがありました。小さい頃はハコスカがあり、今でも実家にはR34の4ドアセダンのターボがあるんです。
スカイラインって、4ドアのファミリーカーなのに“よく走る”というクルマ。それを極めていったのがレースで勝つために開発されたGT-Rだったり、元祖「スカG」のS54だったりするわけですよね。
その観点で見ても、今回のV37スカイラインNISMOは車体の剛性を高め、足回りもしっかりとチューニングをして「しっかり走る」スカイラインに仕上げています。
ネガを言えばステアバイワイヤー(DAS)。操舵量に対する前輪の切れ角をクルマ側が場面場面で制御しちゃう。たとえば一定の舵角で曲がっていきたい高速コーナーなのに、保舵していると安定方向のスローギア比に緩んでいく。
高速道路を淡々と走っているような場面ではそれでいいのですが、運転を楽しみたいような場面では「余計なお世話」です。モード切替でSPORTを選んだら可変ギア比はキャンセルでいい。
あとは……せっかくなので3ペダルMTを設定してほしかったですね。(談)
(TEXT/橋本洋平)
■V37 NISMOはやはり「特別な」スカイラインだった
もちろん、このお二人とは異なったさまざまな意見はあるだろうが、少なくとも日産開発陣は13代、66年続くスカイラインの歴史と伝統をしっかりと受け止めて、現代のスカイラインにその思いを込めて「特別なスカイライン」を作り上げたことは間違いない。
V37スカイラインNISMOは今の時代に作り上げることができる現代的解釈の「スカG」なのだ。
●結論:V37スカイラインNISOMOは走りの性能を極めた現代の『スカG』である
●スカイラインNISMO主要諸元
・全長:4835mm
・全幅:1820mm
・全高:1440mm
・ホイールベース:2850mm
・トレッド:F=1540mm R=1560mm
・エンジン:V型6気筒DOHC ツインターボ VR30DDTT
・総排気量:2997cc
・最高出力:420ps/6400rpm
・最大トルク:56.1kgm/2800-4400rpm
・トランスミッション:7AT
・サスペンション:F=ダブルウィッシュボーン R=マルチリンク
・タイヤサイズ:F=245/40R19 R=265/35R19
・価格:788万0400円
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