登録車と比べると、ボディサイズや排気量など、なにかと制約が多い軽自動車。そんななかで各メーカーはアイデアを絞り出し、数々のモデルを輩出してきたわけだが、ときには時代をリードしすぎた斬新なモデルも登場。そんな超個性派の軽自動車とは!?
文/木内一行、写真/スズキ、スバル、ダイハツ、ホンダ、三菱、FavCars.com
■ホンダZ 「軽自動車なのにミドシップ+4WD。そんなのあり!?」
ホンダZというと、70年代にヒットした初代を思い浮かべる人も多いだろう。その初代は軽スペシャルティの先駆けで、リアウィンドウの形状から「水中メガネ」と呼ばれる個性派だった。
そして、24年ぶりに復活した2代目も目新しさ満載のユニークなモデルなのだ。
ワゴン風の四角いフォルムとSUVのようなちょっと高めの車高から、クロスオーバー的なキャラクターと分かるが、最大の特徴はミドシップレイアウトということ。
リアシート下にエンジンを配置したことで小型車並みの長い室内空間を確保し、50対50の理想的な前後重量配分を達成。さらに、フロント部がクラッシャブルゾーンとなり、高い衝突安全性も手に入れた。また、通常はリア駆動で、路面状況に応じてフロントにもトルクを伝達するリアルタイム4WDを採用し、優れた悪路走破性も実現したのである。
ミドシップ4WDの軽自動車。今後、こんな奇想天外のモデルは出てこないだろう。
■三菱i 「見た目だけじゃない! パッケージングだって革新的」
個性派軽自動車の筆頭といえば三菱i。そのコンセプトカーばりのルックスばかり注目されがちだが、「未来的なスタイリング」、「軽快なハンドリングと上質な乗り心地」、「優れた安全性」という3つを実現するために採用されたリアミドシップレイアウトが一番の特徴である。
この革新的なレイアウトにより、軽自動車の常識を超える2550mmのホイールベースを実現し、コンパクトカーの水準を上回る室内長を確保。さらに、走行安定性の向上にも大きく貢献し、フロントの衝撃吸収ゾーンにより衝突安全性も向上した。
そして、先に触れたエクステリアデザインは、特徴的なワンモーションフォルムを基調にタイヤを車体の四隅に配置。その斬新なスタイリングは、市販車とは思えないほど未来的なものだ。
エンジンは当初こそ新開発3気筒MIVECターボのみだったが、後に自然吸気版も追加。そして2010年には、パワープラントを永久磁石式同期型モーターとリチウムイオン電池に変更した電気自動車のi-MiEV(アイ・ミーブ)も登場し、大きな話題となった。
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