ランクルにフェアレディZ……400馬力オーバーも扱いやすい!! 燃費ってどうなの? 国産ハイパワー車3台イッキ乗り

■本格クロカンSUVも400馬力級エンジン!

トヨタ ランドクルーザー300。LSと同じエンジンを搭載するが、LSよりもさらにトルク重視の設定。66.3kgmというトルクで2トンを越える車体をグイグイと加速させる
トヨタ ランドクルーザー300。LSと同じエンジンを搭載するが、LSよりもさらにトルク重視の設定。66.3kgmというトルクで2トンを越える車体をグイグイと加速させる

 そして、実はLSと同じエンジンを搭載するのがランクル300。ただし出力特性は415馬力(5200rpm)/66.3kgm(2000~3600rpm)とLSよりもさらにトルク重視の設定に変更されている。

 10速ATも同じで、走らせれば明らかに低回転域からトルクで加速させるフィール。これにはかなり驚かされる。

 この巨体(2440kg)をなんの苦もなくグイグイと加速させるのだ。しかもディーゼルエンジンにはない小刻みな爆発回転フィーリング。

 ランクル300はホンモノのオフローダーの常識ともいえるラダーフレームを採用している。このフレームとのマッチングが素晴らしい。

 操舵に対してやや遅れて反応する車体に対して、アクセル操作に機敏過ぎず、しかもスムーズに立ち上がるパワーによってコーナリング性能が問われるターンパイクでも気持ちよく走れる。

 さて、流行のターボエンジンを搭載するこの3台だが、NA(自然吸気)エンジンにも400馬力オーバーは存在する。5L V8エンジンを搭載するIS500やRC Fだ。

 2UR-GSEエンジンは481馬力(7100rpm)/54.6kgm(4800rpm)と非常に高回転型。トランスミッションは8速ATだ。

 ボクはIS500の前身ともいえるIS Fでニュル24時間を完走してクラス4位になったことがあるが、2UR-GSEエンジンの素晴らしい点はアクセルレスポンスが格段に優れてること。

 今回のターボエンジンとの大きな違いはエンジンブレーキ。NAは構造的にエンブレがよく効くのと、大排気量&マルチシリンダーになるほどにエンブレがよく効く。

 これがアクセルレスポンスに繋がり、リアタイヤの縦方向のグリップ力を右足でコントロールできる。

 縦方向のグリップ力をエンジンブレーキに使えば横方向のグリップが減少するわけで、これを利用してコーナリングの特性を変化させることができるのだ。NAのハンドリングはターボとはまたひとつ異なることがキモなのだ。

 ただし時代のトレンドはターボ、そしてモーター。このターボエンジンたちがこれからどのように進化していくのかより楽しみになってきた。

■日常使いでは、燃費極悪ってことはない!?

今回比較した400馬力オーバーの3車、さぞかしガスっ食いの極悪燃費かと思いきや、思ったほど悪い数字ではない。現代の400馬力車の隠れた魅力だ
今回比較した400馬力オーバーの3車、さぞかしガスっ食いの極悪燃費かと思いきや、思ったほど悪い数字ではない。現代の400馬力車の隠れた魅力だ

 さて、今回取材に持って行った3車なんだけど、3~3.5LのV6エンジンを搭載する純内燃機関で、マイルドハイブリッドですらない。

 しかもランクルなんて車重は2.4トンで車高も高いため前面投影面積も大きいし、タイヤだってゴツイ。

 燃費に有利な条件は皆無というクルマなんだけど、都内から首都高3号線経由で東名高速~小田原厚木道路という経路で小田原市内までの約85kmを走って、実燃費は8.2km/Lだった。

 淡々と高速道路を走った……というわけでもなく、東名高速は横浜町田から海老名まで渋滞でストップ&ゴーの繰り返し。

 この区間15kmほどは一般道を走るような走行条件だったことを考えれば、決して悪い数字ではない。Zなんか11.4km/Lで、大健闘だ。

 動力性能は一般公道での実用面での加速性能の参考程度に見ていただきたいのだが、やはりフェアレディZはシャープな加速性能が気持ちいい。

 ランクル300の動力性能は想像以上で、特に高速道路での追い越し加速は重い車重やモロに受ける空気抵抗をものともしない怒涛の勢い。2000rpmで66.3kgmの最大トルクをたたき出す3.5Lツインターボの底力を思い知らされた。

 400馬力級が本気を出したらどんな動力性能を見せつけるのか?は、JARIテストコースで実施したテスト結果を参照してほしい。

 発進から100km/hに至る加速は5秒台。400mまでの加速タイムは12秒台という実力だ。スープラRZは400馬力にちょい届かない387馬力だけど、トラクションがよく発進加速が速い。Zは大雨のなかのテストでゼロヨン1秒以上はロスをした。

●松田秀士の結論:最新エンジンは大出力でも扱いやすく燃費もいい!!

●実走行燃費
・フェアレディZ:11.4km/L
・ランドクルーザー300:8.2km/L
・レクサスLS500:8.9km/L

●400馬力軍団 街中動力性能(0→50km/h)
・フェアレディZST(9AT):3秒23
・ランドクルーザー300 ZX:5秒01
・レクサスLS500:4秒90

●400馬力軍団 街中動力性能(80-120km/h)
・フェアレディZST(9AT):3秒35
・ランドクルーザー300 ZX:4秒50
・レクサスLS500:4秒70

【画像ギャラリー】やっぱり気持ちイイ!!「国産400馬力」日産 フェアレディZ&レクサス LS&トヨタ ランドクルーザー300(23枚)画像ギャラリー

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