■ないのはエアコンだけじゃない!! 無塗装バンパーに衝撃の1スピーカーAMラジオだけ
現在の車種でも上級グレードになると、オートエアコンが標準となり、ベースグレードはマニュアルエアコンというモデルは珍しくない。
だが、ホンダのクリエイティブムーバーシリーズはエアコン自体がオプションとなっており、選択しなければ当然ながら真夏の炎天下でも涼しい風を浴びることが不可能となっていたのである。
この20年で真夏の平均温度はかなり上昇しているとはいえ、オデッセイやステップワゴンのような広い室内空間でエアコンレスはなかなかにヘビーであったことは想像に難くないだろう。
ちなみにオデッセイとCR-Vでは、エアコンはディーラーオプションとなっていた。
部品代以外の工賃などは取り付けるディーラーによって金額が変わっていたので、正確な金額は不明だが、ステップワゴンはメーカーオプションとなっており、その金額は14.7万円となっていた。
なおステップワゴンでエアコンが標準装備となる「G」は179.8万円で、「N」との価格差は25万円。
エアコンをオプションで装着するとその価格差は10万円ほどに縮まるが、「N」はバンパーやドアハンドルが無塗装樹脂となるだけでなく、オーディオは1スピーカーのAMラジオ!!
集中ドアロックも備わらないなどの装備の簡素化に加え、なんと3列目シートが備わらない5人乗りとなっているという割り切りっぶり。
完全にスタート価格を安く見せるための“釣りグレード”といっても過言ではないものとなっていたのである。
■カタログ数値を重視したスペシャル仕様はほかにも……
クリエイティブムーバーシリーズは、そのスタート価格でインパクトを持たせるために、ほぼ購入者がいないであろうエントリーグレードを設定していたが、こういったケースは他にも存在していた。
それが、初代アクアとの熾烈な燃費競争を繰り広げていたノート e-POWER(先代型)とフィットハイブリッド(先代型)だ。
エンジンで発電してモーターで走行するという新感覚の走行フィールで、瞬く間に人気車種となったノートe-POWER。
だが、デビュー時はそこまでの人気になるとは想定していなかったようで、他のハイブリッド車と同じく燃費性能をアピールしていた。
そのときのカタログ燃費が37.2km/Lで、当時のアクアの37.0km/Lを超えるものとなっていたのだが、この燃費性能を持っていた「e-POWER S」というグレードは、エアコンすら備わらなかった(しかもオプション設定もなし!!)。
燃料タンク容量も他グレードよりも6L少ない軽量なモデルとなっており、明らかに燃費性能でアクアを超えるためだけのグレードとなっていた。
2013年9月に登場したフィットハイブリッドも同様で、当時のアクアのカタログ燃費の35.4km/Lを超える36.4km/Lという燃費性能を引っ提げて登場しているが、こちらも該当するのは最も安価なグレードだけ。
さすがにエアコンレスまではしなかったが、フィットの美点のひとつであった豊富なリアシートアレンジをもつウルトラシートも備わらずに一体可倒式に。
燃料タンクは当然のように他のハイブリッドグレードよりも8L少ない軽量なもの。そして極めつけはコストのかかるアルミ製のボンネットを採用して軽量化を図るなど、あらゆる手段を投じていたのである。
なおアルミボンネットは走りのグレードであるRSにも採用されずに、燃費スペシャルのハイブリッドグレードのみの設定となっており、マニアの間では純正流用の軽量化手段として使用されているとか。
いずれにしても努力の方向を間違っている感があることは否めず、現在はこういった見た目の数値だけのスペシャル仕様はほぼ見られなくなっている。
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コメント
コメントの使い方初代オデッセイ乗ってました。
スンゲー良いクルマでしたが、燃費が…。
当時のクルマはシンプルで良かった。ハイブリッド化して復活させたら、今でも大ウケするのでは。